『無業社会 働くことができない若者たちの未来』(工藤啓・西田亮介著、朝日新書)を読みました。
15~39歳の若年無業者の数は200万人を超え、その年代の16人に1人になっている、とのこと。
「働きたいけど働けない」「働き続けることができない」「もう何から始めたらいいのかわからない」
本書は、こうした若年無業者が特別な若者だけの問題ではなく、誰にでも起こり得ること、解決すべき社会課題であること、こうした若年無業者に対する誤解を解くために、実情をひもとく試みの書です。
そのために、こうした若者支援を通し、その現場で出会った若者7人の事例、著者らが昨年(2013年)に出版した『若年無業者白書』制作時に得られたデータから、若年無業者に関する偏ったイメージや誤解へのQ&A、そして若年無業者の問題をとりまく構造的な条件や歴史的な側面の分析などをします。
自己肯定感と自信をもてる人づくり、雇用のルールづくり、社会保障制度の充実も、この社会問題解決には不可欠です。
ただ、この問題を社会的に共有するためには、若年無業者とその生活実態、彼らをとりまく環境についての調査が十分には行なわれていないことも課題として示されます。