『いのちの格差を是正する』(全日本民主医療機関連合会、新日本出版社)を読みました。
綱領にかかげる「無差別・平等の医療と福祉」の立場と実践から、人権としての医療・介護は可能だとして、昨年12月に発表された「人権としての医療・介護保障めざす民医連の提言」です。
日々の実践のなかでとらえた「医療・介護・国民生活の現状」、「あるべき医療・介護の姿と国の責任」、そのうえで当面の課題として「安全・安心、人権としての医療・介護を実現する提案」、健康の社会的決定要因に注目して憲法25条にもとづき「憲法で保障された『生存権・健康権』の実現めざす提案」、これらの支えとなる「『人権としての医療・介護』を支える財源提案」が、簡潔・明瞭に示されます。
「予防の充実と保険で十分な治療を受けられる歯科医療へ」、「国と東電の責任で全ての福島原発事故被害者の健康と暮らしを守る」こともしっかりと位置づけられています。今年2月議会での私の質問では、原発労働者に関するこの民医連の提言を使わせてもらいました。
また本書では、2010年5月~9月末に29都道府県・180事業所からの420事例を集約した「『介護保険10年』検証事例調査報告」、2013年9月~11月に要支援者の給付管理を担当するケアマネジャーを対象に900を超える事例を集約した「次期介護保険『改正』による影響予測調査結果報告」、2012年1月~12月末に25都道府県から58件報告された「2012年国保など経済的事由による手遅れ、死亡事例調査結果報告」、2013年2月12日~3月20日の期間に聞き取った1,482人の「生活保護受給者緊急実態調査報告」、無料低額診療事業を実施する民医連歯科28事業所利用者の28事例をまとめた「歯科酷書」の五つの報告が資料として掲載されています。
Health for all をあきらめない民医連の神髄に触れられます。