地震列島日本の原発

140428地震列島

『地震列島日本の原発』(立石雅昭著、東洋書店)を読みました。

著者は新潟県の「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」とそのもとの「地震、地質・地盤に関する小委員会」の委員を08年2月から務めていて、3・11時は、その小委員会で柏崎刈羽原発2~4号機の耐震安全性を審議していた真っ最中でした。

本書は、原発の危険性に30年余にわたって向き合ってきた地質学者としての著者が、地震列島日本における原発の危険性を広く知っていただきたいとの思いでまとめられました。

2007年7月16日の新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災、そして2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震・津波による福島原発事故のあとに発表してきた文章に大幅に手を加えたもので、以下の章立てです。

第一章 地震活動期にある日本列島と原発の耐震設計
第二章 柏崎刈羽原発震災の教訓とは何だったのか
第三章 各地の原発の断層に関する調査結果(柏崎刈羽、浜岡、志賀)
第四章 福島原発事故の要因と規制機関の役割(4つの事故調報告の検証も)
第五章 原子力規制委員会の活断層評価をどう見るか
第六章 これまで原発の耐震安全性の評価はどのようになされたか
第七章 産官学の癒着問題と研究者の役割

今また、政官財が、マスメディア、研究者・技術者を巻き込んで原発再稼働にひた走ろうとしています。こんな暴走を止めさせるのは、「原発はいらない!」のまっとうな願いをもつ私たち国民以外にありません。

140428活断層

本書の表紙にある「日本の周辺の活断層分布と原発の位置」は、活断層研究会『新編日本の活断層』(1991年、東京大学出版会)に加筆した地図です。

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