『列島の歴史を語る』(網野善彦著、藤沢・網野さんを囲む会編、ちくま学芸文庫)を読みました。
著者は10年前に亡くなった、日本中世史が専門の歴史学者ですが、本書は今月発行です。
『日本の歴史をよみなおす』(1991年・96年の同名正・続の本を05年に1冊にまとめて同文庫から発行)が「50万部のロングセラー」の広告と合わせて宣伝されていて、つい、ひかれて購入しました。
もともと著者の歴史学に関しては、大学卒業後の1980年代半ばから興味をいだき、その後もごく一部の著作を手元に置いていたのですが、ほとんど「積んどく」状態です。
「日本列島島国論」「稲作一元論」などへの根本的疑問、「女性、老人、子供まで含め」て、「常民の生活の日常的なあり方、意識の動き」、「農業以外の生業に携わる人たち、と同時に、山野河海という場所、道や市という場そのものの性格、そこを生活の舞台にする人々の生活」、「日本列島を…いくつかの独自の歴史、ある場合には独自な国家を持ってきた地域、ある場合には日本列島を越えた地域の歴史のなかで、民族国家が形成される過程」を明らかにしたい、との意欲の成果です。
「網野史学」と世間一般では言われていますが、きわめて興味深く感じています。
今みたいな機会がなければ、なかなか読めず、あらためて学びたい気持ちがふつふつと沸き立ちました。が…