開腹手術を午後に控え、午前中までに『いじめ解決の政治学』(藤森毅著、新日本出版社)を読みました。昼前から妻と義姉が来てくれましたが、何もせずに腹を切ることを待つわけにはいきません。
著者は東京大学教育学部で教育史教育哲学コースを専攻し、現在は日本共産党文教委員会責任者をしています(本書の著者紹介によります)。
第Ⅰ部は、「序」を含め、共産党が2012年11月28日に発表した党としての提案「『いじめ』のない学校と社会を」を直接のテーマにした4つの文章です。
第Ⅱ部はいじめ問題を切り口に、いじめと教師、厳罰主義と道徳主義、いじめと教育委員会、いじめと法律など、様ざまな問題について書かれた5つの文章です。
資料として党の2012年の提案とともに、2013年6月の「いじめ問題にかかわる法制化」についての党の見解が掲載されています。
ちなみに書名に「政治学」とあるのは、著者が党の文教責任者をしているからではなく、精神科医の中井久夫氏が論文で「いじめが権力に関係している(他人を支配する権力)からには、必ず政治学がある」と述べていることに触発され、いじめの政治学があるなら、いじめを解決する政治学があってもよい、の考えからつけた、とのこと。