先日、「日々の新聞」に書いた文章をベースに通信「かけはし」の文章を書きました。
県民の声をまともに聞くこともせず、知事は福島の原発でのプルサーマルを受け入れました。
昨年7月、ほぼ4年ぶりに再会された福島県エネルギー政策検討会で、「検討の過程においては、県民からの意見の聴取にも努める」としていたにもかかわらず、です。
私は、1998年に全国で初めてプルサーマル導入を事前了解した福島県が、「白紙撤回」した背景が重要だと思います。県エネルギー政策検討会の「中間とりまとめ」(02年9月)は、「国策として一旦決めた方針は、国民や立地地域住民の意向がどうあれ、国家的な見地から一切変えないとする一方で、自らの都合により、いとも簡単に計画を変更する…ブルドーザーが突進するような進め方は…地域の存在を左右する」と指摘しています。
この検討会は01年5月21日に設置が決められ、5月31日には「県民の意見を聴く会」が開かれ、6月12日に第1回の会合後、02年1月7日の第11回の会合では、「中間とりまとめ」の土台となるおもな論点が整理されました。
その後、02年8月5日の原子力委員会との意見交換会や、8月29日に公表された「原子力発電所における自主点検作業に係る不正問題」を受け、9月19日に「中間とりまとめ」がまとめられました。
不正問題については、「検討会で指摘してきたことがまさに現実の問題として顕在化したもの」としています。
この経過を見ても、不正問題があったからプルサーマルの「白紙撤回」があったわけではないことがわかると思います。
そして「検討会で指摘してきたこと」には、プルサーマルを含めた核燃料サイクルに対する根本的疑問があるのです。
県によるこの問題提起には、八割近い県民が賛意を示していました(03年度「県政世論調査」)。
県自身が提起した疑問がいっこうに解消されないままのプルサーマル導入は撤回すべきです。