大熊町/95%が帰還困難/「制度の壁」を乗り越えるべき

131115大熊町

県議団として、大熊町役場をたずね、渡辺利綱町長、吉田淳総務課長、池沢洋一企画調整課長と懇談しました。石田洋一党町議も同席しました。

大震災直後の3月12日、全町避難指示を出して西の田村町に避難を開始し、4月3日には町からさらに西に約100km離れた会津若松市へ2次避難開始。4月5日には大熊町役場会津若松出張所を開設しました。

昨年12月には、町民の約95%が住んでいた地域が「帰還困難区域」とされ、「5年間は帰町しない」と町として判断しています。

1万1,000人ほどの住民は、11月1日現在でいわき地域に約3,900人、会津地域に約2,500人、県中地域に約1,100人、そして約3,500人が埼玉県、茨城県、東京都など県外で避難生活を強いられています。

「原発がひとたび事故を起こせばこういうことになる。二度とこんな目にあわないためにも、県内原発全基廃炉は当然のこと」と町長。

131115大熊町長

借り上げ住宅の住み替えは、高齢者家族の介護、子どもたちの成長など、様ざまな事情で不可欠なのに認められていないこと、少なくない住民が「先が見えないなかでどこに住みたいか判断できない」と迷っており、こうした意向を前提とした復興公営住宅計画では足りなくなるのは目に見えている、多くの世帯が着のみ着のままで避難後、「空き巣」「盗難」「家屋損傷」などの被害を受けており、その保障がまったくない、線量による賠償などの線引きで住民分断をしてほしくない、などなど、未曽有の原発震災は、現行法・制度の枠内では解決できない事態を進行させています。

131115大熊町会津若松出張所

また町民の多くは、原発事故収束作業にも携わっており、安全・確実に働ける条件を国の責任で整備することも強く求められました。

帰還する・しないにかかわらず、「制度の壁」を乗り越えて、住民の実態に即した対応と支援策こそ、今回の震災が示していることだと思います。

DSCF5910

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です