『安倍政権と日本政治の新段階』(渡辺治著、旬報社)を読みました。
昨年末の総選挙直後から、著者はその結果の見方や今後の国民運動の方向について、新聞や雑誌などで語ってくれていて、私もそのごく一部には目を通していました。
本書はまさに現在進行形の安倍政権について、今年3月ぐらいまでの時点での著者の仮説です。
「なぜ自民党はあんなに大勝したのか?」「なぜ安倍政権は高い支持率を保持しているのか?」「安倍政権は改憲で何をねらっているのか?」「なぜ革新政党は伸び悩んでいるのか?」
著者自身が抱える「なぜ?」に、著者独自の切り口さわやかで鋭い見方を提示してくれています。
安倍第二次政権は、古い自民党政権の単なる復活ではありません。国民多数の支持を受けたわけではないことを承知したうえで、財界・アメリカの期待を担って新自由主義・構造改革の再起動と軍事大国化の課題を遂行しようとするその手法、その大攻勢にあらがう国民運動展開の展望を示してくれます。