県議団として、いわき市北部に位置する広野町、楢葉町をたずねました。
広野町はいわき市に接する町で、ほぼ全域が福島第一原発から20~30km圏内です。
原発事故後、山田基星(もとほし)町長は3月13日に全町民に避難指示を発令、4月22日には全域が緊急時避難準備区域に指定されました。5か月後の9月30日にはその指定が解除され、住民説明会が重ねられ、昨年3月1日には役所を本来の庁舎へもどし、3月31日には町長発令の避難指示を解除しました。
8月には小中学校、幼稚園、保育所が町内で再開され、帰還へ向けた住民説明会も行なわれました。
人口5200人余ですが、現在の町内生活者は640人で10%強。県外避難が800人強、県内が4000人弱で、そのうち隣接するいわき市に3800人強です。
町長には、原発事故の収束がまだなのになぜ住民を帰還させるのか、といった声も直接届けられているようです。こうした声が強いなか、賠償や医療費減免など様ざまな支援策について「打ち切り」という言葉が出てくること自体に、町長はたいへんに憤りをもっていました。
楢葉町は町全体の8割が第一原発の20km圏内で、20km圏外の地域は一昨年9月に緊急時避難準備区域が解除され、昨年8月10日には20km圏内も警戒区域が解除され、避難指示解除準備区域とされました。自宅に宿泊はできないが、昼間はもどっていい、という区域です。
午前中に町役場のいわき出張所で町行政の現状、災害復旧の現状、除染の進捗状況、商工事業者の動向について町の職員から説明を受けました。
午後には楢葉町に移動し、国直轄の住宅や農地除染の現場、仮置場、汚染物減容施設を案内してもらいました。
楢葉町の人口は7600人余、県外避難が1100人余、県内が6500人弱で、うちいわき市が5600人余です。
町民からは、医療が安心して受けられることが大前提として求められていること、また、雇用の確保については国の姿勢・対策として産業起こしが不可欠ではないか、と職員の切実な声と受け止めました。