『隠された被曝』(矢ヶ崎克馬著、新日本出版社)を読みました。
著者は1974年以来、36年にわたって沖縄に在住し、物性物理学の研究にたずさわってきました。放射線学を専門としているわけではありませんが、2003年には原爆症認定集団訴訟熊本弁護団から内部被爆についての法定で証言をするよう要請され、「原爆被爆問題」に初めて立ち入ることになりました。
「科学で解明することができないことが多すぎるので、被曝の実相解明が進んでいない」とそれまでは思い込んでいたそうです。ところが事実は、政治と「科学」が一体となって「あからさまな偽り」が行なわれている、ということでした。
行政とえせ科学者が、まぎれもない被爆者を「あなたは被爆者ではありません」といい続けてきたのです。
科学者の良心が、事実にもとづき、まやかしの被爆認定基準を徹底告発した書です。