総選挙での自民党の「大勝」には、自民党県議ですら、「期待もされなかったのに、議席の取りすぎだ」と言うほどです。
衆議院の定数は480人で、そのうち300人は小選挙区です。自民党が得た294議席のうち、8割の237議席は小選挙区です。ここにからくりがあります。
全国的に見ると、自民党の小選挙区での得票率は43%です。これは、全有権者数の25%です。33%の人は自民党以外の候補者に入れ、43%は投票しませんでした。
比例代表では自民党はもっと少なく、全有権者比で16%、自民以外は42%。そして42%が投票しませんでした。
有権者の4~6人に1人が自民党に入れたことは間違いありませんが、議席率が8割というのは「虚構の多数」です。
「虚構の多数」によって、原発再稼働が進められたり、消費税増税が強行されたり、まして国防軍や集団的自衛権の行使を認めるなど、もってのほかと言うほかにありません。
仮に、衆院総定数を各党の比例得票率で配分すると、自民党は133議席であり、「虚構の多数」の半分以下です。共産党は29議席です。実際は8議席ですから、3割を切っています。
こうして小選挙区制度は、民意を削りとって「虚構の多数」を生み出す制度ですから、見直しは当然です。
小選挙区をなくし、現行の全国11ブロックごとの比例代表選挙にすることが最も民意を反映できます。
また、3~5人区の中選挙区制にすることも、民意を保証する改善につながり得ます。
なお、グラフ資料は12月24日付けの「しんぶん赤旗」掲載のものです。