橋下氏の手口/言葉を言葉で疑う

『橋下「維新の会」の手口を読み解く』(小森陽一著、新日本出版社)を読みました。

「橋下徹的政治手法の基本的な手口を、言葉の使い方の側面から分析し、そのからくりを解きあかすこと」がこの小冊子の目的です。

ハッとさせられたのは、「一般に民主制のもとでは、『独裁』という政治形態は、支配される側としての大衆の政治参加と積極的な支持によって可能になります。マス・メディアを使った大衆的な意識や感情の操作によって実現するわけです。その場合、人々は独裁という非民主的な政治を自覚的に支持しているというよりは、むしろ自らの政治的要求が実現する道だと錯覚させられている」という指摘。

だから、橋下氏が「善玉」のようにマスコミなどによって持ち上げられているなかで、「『善玉』になった人を、理由をあげずに『独裁者』と非難だけしていると、その批判者が『悪玉』にされてしまう」。

言葉をあやつる生きものとしての人間の尊厳をかけ、言葉を言葉で疑い、ウソをひっくり返すことも、民主制のもとでの有権者の仕事です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です