今回の質問の前の質問は、07年3月の総括審査会で、当時の場所は本会議場ではありませんでした。
この議場での質問は、06年12月以来の5年3か月ぶりかと思います。さすがに多少緊張しました。
私の質問前に休憩が入り、傍聴に来ていただいたみなさんに5人そろってごあいさつしました。
質問は県の原発事故対応と、健診・医療・介護など県としての社会保障にとりくむ姿勢を中心にただしました。
驚いたのは、佐藤雄平知事が、原発事故を「人災」とはなんとしても言おうとしない姿勢です。再質問・再々質問に対しても、原発事故が人災かどうかについて、自らの言葉で語ろうとしないのでは、東電に全面賠償させる構えが本気なのか、疑問を感じます。
傍聴に来られたかたは、「再々質問の答弁のときに、議場がざわついていたのは、みんなもおかしいと思ったからじゃないのか」と感想を語っていました。
ご無沙汰しております。福島第一原発事故は地震災害ではありません。しかし、政府の見解、あるいは一般的風潮・理解として原発事故を地震災害(震災)の一つと見る向きがあります。なぜ断層の影響をうけるところに原発が建設されたのか、なぜ津波の浸水を許したのか、なぜ全電源が喪失したのか、なぜイソコンの操作を現場が気が付かないでいたのか、なぜ水素爆発がおきたのか、なぜ避難先も方法も告げられず、避難指示が出たのか、なぜ東電や政府は情報を故意に流さないのか、なぜ職と住所、人生を送ろうとするその土地を放棄させられるのか、なぜ避難先で生活が再建できないのか、なぜ県土が放射性物質に侵されて、仕事や産業が滞るのか、なぜ避難に至らない人の暮らしが困るのか、なぜ東電も政府も非難した人たちに対しいつまでたっても賠償も補償もしようとしないのか、なぜ県民が差別されるのか、などなどわからないことがいっぱいありますし、これらに東電も政府も県も専門家諸氏も答えていません。県民は納得していないのです。こうして、わからないことを思いつくままに列挙すると、これらはみな人のなせる災害、つまり人災であることがわかります。繰り返しますが、原子力事故による原子力災害は地震災害ではありません。知事は原子力災害の被災県民を代表する風を演じていますが、原発推進者である以上、その実態は県民への加害者であります。その実態をごまかすため、彼は「原発事故は人災である」と決して言わないでしょう。己の地位が危うくなりますからね。長谷部さん、もしよろしければ、そのあたりを知事に追求し、議会として県民の生活再建の道筋を政策化してください。