『エネルギー進化論』(飯田哲也著、ちくま新書)を読みました。
著者は私と同じ年の生まれで、京大工学部原子核工学科で学んでいました。もしかすると、あのキャンパス内か学生食堂で出会ったりしていたのかもしれません。
大学院も京大・東大を修了後、神戸製鋼の原子力部門で働き、3年後には電力中央研究所に出向派遣され、大学時代を含めれば、10年にわたって原子力の世界を経験した人です。
本書では、「自然エネルギーのコストは高い」「自然エネルギーは不安定だ」「自然エネルギーは非現実的だ」「自然エネルギーは産業経済的にマイナスだ」「自然エネルギーも環境を破壊する」といった、原発推進派の肩をもつためとしか思えないような「お決まりの批判」への反論を序章に、これからの日本のエネルギーシフトについて、世界と日本の地域からのとりくみも紹介しながら、きわめて現実的な展望を示してくれます。