『素粒子はおもしろい』(益川敏英著、岩波ジュニア新書)を読みました。
ノーベル賞受賞論文をお風呂でひらめいた話の第1章から第6章までは素粒子の話ですが、「二一世紀を生きていくみなさんに、科学を学ぶ意味と姿勢について、お話しておきたい」という第7章が私にはいちばんおもしろいです。
「科学というものは、人類にとってより多くの自由を準備するもの…ということは、それをどういうぐあいに使うかという人間側の選択が入ってくることにもなる」
「基礎的であればあるほど、科学は人類に対してより多くの自由を提供してくれる」
「科学が発達すればするほど、科学そのものが人々のところから離れ、遠いものになっていく…じつは人々の思考をマヒさせている」「私は『科学疎外』がおきているという言い方をしています」。
「科学というのは肯定のための否定の作業である」。
深いなぁ、と思います。