『これでわかる からだのなかの放射能』(安斎育郎著、合同出版)を読みました。
1979年の初版本の改訂新版です。その年の春には、スリーマイル島原発事故がありましたが、それが原因で日本の食品の放射能汚染が問題になったり、私たちのからだのなかの放射能が心配されたりの状況ではありませんでした。
その後、86年にはチェルノブイリ原発事故で輸入食品の放射能汚染が大問題になり、そして足元の福島原発事故により、原発由来のからだのなかの放射能に言及することは不可欠な事態になり、この本の刊行となりました。
福島原発の核燃料の中に封じ込められていたはずの放射性物質が、大なり小なり、私たちの体の中に侵入してくることは避けられないと思われます。
今や、いやおうなく、身を守るために放射能について基本的な知識を身につけておかないとならない時代に暮らさざるをえなくなったわけです。
本書は、からだのなかにひそむ放射性物質を糸口に、そうした知識を平易に語ってくれ、「放射能リテラシー」を身につけるには格好の本だと思います。
1979年刊の初版本。