原発推進から撤退へ

17日に志位和夫委員長が菅直人首相あてに提出した「復興への希望がもてる施策、原発からの撤退をもとめる―大震災・原発災害にあたっての提言(第2次)」と、10日の不破哲三さんによる「古典教室」での講義を参考に、学習会用レジュメを作ってみました。

原発推進から撤退へ

一 福島原発事故で明らかになったこと

Ⅰ いまの原発技術が本質的に未完成で危険であること

①   軽水炉の構造上の本質的欠陥

核反応が止まっても、ウランから生まれた核分裂生成物が出し続ける崩壊熱を冷やし続けるために、水を供給し続けなければならない。ところが今回、地震と津波の影響で電源が全部失われて水が止まってしまった。

原子力発電の根本的・本質的欠陥

原子炉内に生まれる大量の“死の灰”を原子炉内部にぜったいかつ安全に閉じ込める技術を人間はまだ手に入れていない。

使った核燃料の始末ができない

原子炉から取り出した“死の灰”である「使用済み核燃料」を始末するシステムを人間はいまだ開発できないでいる。日本は使用済み核燃料を、使えるプルトニウムと残りカスに分ける「再処理」路線を強行しようとしている。

さらに危険な残りカス=高レベル放射性物質

放射能が半分に減るまでに、何千年、何万年もかかる高レベル放射性物質をどこでどう始末するかも、人間は答えをもっていない。

Ⅱ 世界有数の地震・津波国に集中立地することの危険

日本列島のどこにも、大地震と大津波の危険性のない「安全な土地」と呼べる場所は存在しない。大地震・大津波にみまわれる危険性がないと断言できる原発はひとつもない。

Ⅲ 「安全神話」の大罪

いまの原発技術が本質的に未完成で危険という認識ももたず、その原発を地震・津波国で大増設することの危険性の認識ももたず、どんな技術にも「絶対安全」は存在せず事故の可能性は排除できないという認識ももたず、「安全神話」にどっぷりつかってきたために、対策をもたなかった。現在の事態を招いたのは歴代政府、電力会社の大罪。

Ⅳ 原発事故は明らかな人災であること

「安全神話」を追及し、最悪事態を何度も警告した共産党や市民団体の声を無視し続けた結果に起こった事故であり、明らかな人災。「自然の驚異」「想定外」の言葉は責任逃れ。

国会では、監視体制の問題 (76年1月、99年11月)、使用済み核燃料の危険性・処理不能の問題(76年1月、99年5月)、「安全神話」の問題 (80年2月)、震源域への立地の問題 (81年2月)、冷却水喪失の危険の問題 (06年3月)でも、国と電力会社は聞く耳を持たなかった。

とくに冷却水喪失の危険は、「原発の安全性を求める福島県連絡会」の指摘に基づき05年2月に私が福島県議会で明らかにし、「連絡会」が同年5月には文書で「福島原発の抜本的対策」を東電に求め、07年7月には党県委員会・県議団・「連絡会」連名で「冷却材喪失による過酷事故に至る危険」を指摘し、「福島原発の耐震安全性の総点検」を東電に求めていた。

すべて無視された。

人災と認め、風評被害を含めて被害への全面賠償をさせなければならない。

二 原発推進から撤退への転換のとき

Ⅰ 原発からの撤退の戦略的決断

原発からの撤退を政治的に決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムを政府の責任でつくること。そのさい、

・    福島第一・第二原発は廃炉にする

・    原発の新増設は中止する

・    浜岡原発は廃炉とする

・    老朽化した原発の運転は中止する

・    住民合意のない原発の運転は中止する

・    放射性廃棄物の再処理施設を閉鎖する

・    プルサーマルから撤退する

・    自然エネルギーの開発・普及・促進、低エネルギー社会への移行のために知恵と力をそそぐ

Ⅱ 安全優先の原子力管理体制の確立

原発の運転停止後も、廃炉までには20年かかるといわれ、その過程で放射能が外部に流出しない最大限の努力が不可欠である。また、未確立の使用済み核燃料の処理技術を確立し、処理作業が完全に終了するまで、きわめて長い期間、核廃棄物を環境から厳重に隔離し、監視し続けなければならない。

原発ゼロにいたる期間のすべての段階を、厳重な安全優先の管理と規制の体制のもとで進めるためにも、強力な権限と体制をもった原子力管理体制の確立は緊急につくりあげなければならない。

以上

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