『日本会議の研究』(菅野完[すがの・たもつ]著、扶桑社新書)を読みました。この間読んだ一連の「日本会議」関連本では、今年5月1日でいちばん早く発行されています。著者は3年前に同じ新書からの noiehoie 名義『保守の本分』で「右翼であり保守だ」と自認はしているようですが、もともと一般企業の中間管理職経験者のようで、その際、徹底してデータを集め、そのデータを冷静に分析し、「偏り」や「ばらつき」を生む根本原因を突き詰めていく品質管理の手法を身に着けたようです。その手法が「日本会議」を暴くのにも見事に活かされているように思います。
70年安保の時代に淵源を持ち、その時代から休むことなく運動を続け、どんな左翼・リベラル陣営よりも頻繁にデモを行ない、勉強会を開催し、陳情活動を行ない、署名集めをし、さまざまな挫折や失敗を乗り越え、その運動は安倍政権を支えるまでに成長し、国憲を改変するまでの勢力となり、このままいけば、この「民主的な市民運動」は、日本の民主主義を殺すだろう、とは「むすびにかえて」の著者の言葉。
だが、民主主義を活かすのも「民主的な市民運動」にほかなりません。著者も「そこに希望を見いだすほかない」と。(日付は初版発行日)