『京大式 おもろい勉強法』(山極寿一[やまぎわ・じゅいち]著、朝日新書)を読みました。著者は2014年10月から京大総長。「私を今回総長に選んだ教職員たちは、おそらく大学の自治とアカデミックフリーダム(学問の自由)を守りたいと考えたのではないでしょうか」というように、安倍政権のもとで大学をめぐる自治と自由が脅かされている背景が垣間見えます。本書はノウハウ本ではまったくありません。著者が「アフリカの人たち」や「京都の人たち」、「ジャングルの中で暮らすゴリラたち」から学んだ対話や対人関係の術(すべ)=対人力こそ、グローバル人材や国際的に通用する人材の育成につながる話。「野性的で泥臭い、ちょっと変わった」勉強法です。「自由な学風」や「独創性」を貫いてきた京大だからこそ、未来の社会に向けてできることはたくさんある、と。