『TPP反対は次世代への責任』(農文協ブックレット⑮)を読みました。
副題に「この国の医・食・農・労働を守る16氏の提言」とあるように、16人のそうそうたる執筆陣です。PART1「『TPP的世界』から守るべき大切なこと」、PART2「国民経済の土台=食料・農業・農家経営を守るために」、PART3「国民生活の土台=いのちと食、労働を守るために」の3部構成。
TPP大筋合意なるもののデタラメぶり、国民の知る権利を真っ向から蹂躙して進められる「対策」の打ち出し方などを批判し、日本の医・食・農・労働を守り、孫子の代まで安全、安心な仕事と暮らしをこの国で築いていく途を明らかにすべく企画されたブックレットです。ともかく、TPPが「農業のみならず、医療・教育・保険・労働条件などのすべてを国際資本の利益に順応させ、そこから生じる軋轢を国家権力を強化して押さえ込み、対外危機を煽ってガス抜きする政策」の「亡国の道」(安富歩・東大東洋文化研究所教授)であり、協定に含まれるISDS条項(投資家対国家間の紛争解決条項)が企業に害を与えたか否かの論点で判断され、「まさに憲法の根本原理に抵触する」(孫崎亨・元外務省国際情報局長・防衛大教授)ものである本質が明らかにされます。
「今だけ、金だけ、自分だけ」の社会でなく、持続可能な社会を次世代に責任をもって引き渡すためにも、TPPは拒否すべきです。