『正しく恐れよ! 富士山大噴火』(藤井敏嗣著、徳間書店)を読みました。
オビに書かれているように、「火山噴火予知連会長の緊急警告! 今すぐ、大噴火が起こってもおかしくない!」のが、今、私たちが生きている「時代」。
「現代は、大地動乱の9世紀の状況と似ている」との指摘もあります。
第1部「日本は大地動乱、火山噴火の時代に入ったのか」では、「火山に関するリテラシー(情報と理解)を身につけておく」きっかけとして役立つよう、NHKホームページの「そなえる防災」のコラムをもとにまとめられています。
第2部「火山災害を生き延びるための知識と行動」は、NHK解説委員の二宮徹氏との協力のもとでの実践編で、本書のための書き下ろしです。
本書冒頭には、「気象庁には、大学院で火山を研究してきた専門家はほとんどいない。火山の監視にはもっと専門家が必要だ」など、目次にはない、本文からの10の「警鐘」がまとめられています。
平安時代には数十年おきに噴火を繰り返していた富士山は、1707年の直近の噴火から300年余り。火山学の世界では「休火山」という考え方はなく、富士山はまぎれもない「活火山」です。
ちなみに活火山とは、「おおむね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」のことで、日本には110の活火山があります。