日本国憲法第26条。「①すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。②すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」。
「教育を受ける権利」の明文規定は、資本主義諸国の憲法では日本が最初です。フランス革命期以来の「権利としての教育」確立へ向けた「さきがけ」と評価されるゆえんです。
「権利としての教育」ですから、憲法の基本的人権の規定と重ね合わせて読むことが大事です。そうすると教育は、幸福追求の権利(13条)、思想・良心の自由(19条)、信教の自由・政教分離原則(20条)、表現の自由(21条)、学問の自由(23条)、法の下の平等(14条)などと不可分一体です。
憲法は平和国家・福祉国家をめざしていますから、将来の国家・社会の「形成者」を育てる教育は、9条・25条とももちろん不可分です。
こうして本来、教育にかかわる基本法と憲法とは一体です。しかし安倍内閣で強行された現行教育基本法は、第2条で子どもと国民に「我が国…を愛する」心を法律で強制したり、第16条で、教育の自主性や教育の自由の上に政治的多数をおいて、時の政府の思いのままに教育を統制・支配できるしくみをつくりました。
憲法のこころを入れ込んだ基本法を取り戻さないとなりません。