ここのところ、たまたま、別の場で別な人が「喧々諤々(けんけんがくがく)と議論した」と言っていたことを耳にしました。
以前、私が編集の仕事にたずさわっていたころ、言葉遣いの「誤用」として教わっていた記憶があります。
そこで、『岩波 四字熟語辞典』(02年発行)で確認。
遠慮することなく、大いに議論することやそのさまを言うときは、侃々諤々(かんかんがくがく)。
もともと「侃々」は「論語」に出てきて、強くまっすぐなさま。「諤々」は「史記」に出てきて、ありのままに言うさま、だそう。
多くの人が、口々にやかましく騒ぎ立てるさまを言うときは、喧々囂々(けんけんごうごう)。
喧々はがやがやとやかましいさまで、囂々は声のやかましいさま。これら二語を重ねて、いやがうえにもやかましいさま。
したがって、侃々諤々と喧々囂々とは意味がもともと違うものの、「日本で、大いに議論する意の『侃侃諤諤』と混同した『喧々諤々』という語も耳にするようになった…『喧々囂々』と同義に使われている」と。
間違いも広まれば構わない、と言われているようで、合点がいきませんが、そういうことのようです。