岩波ブックレットの2冊、『教育委員会は不要なのか』(中嶋哲彦著)、『アベノミクスと暮らしのゆくえ』(山家悠紀夫著)を読みました。
今年(2014年)6月、地方教育行政法(地方教育行政の組織及び運営に関する法律)が、民意の遮断、中央集権体制の維持・強化、首長の教育・教育行政介入の容認、といった内容で、「民意反映」「責任の所在の明確化」「国の最終的責任の明確化」の理由づけで改定されました。
とは言え、安倍政権がねらった、「教育の民衆統制」「教育行政の地方分権化」「教育行政の一般行政からの独立」の基本原理の変更や、教育委員会の廃止がされたわけではありません。
「子ども・若者の豊かな学習・教育は保護者や教職員を中心に、住民自身が担い手になれるような教育委員会を作り出していくことがたいせつです」。
「アベノミクス」については、「あらゆる説明や論理を飛び越した、その非科学性」、「マネタリズム、ケインズ経済学、サプライサイド経済学、さらには新自由主義の経済学に依拠し…要するに、あらゆる経済学が混在」、こうして現状分析をせずに、混在した政策を打ち出しているうえに「現状認識が誤っている」全体像を示しつつ、経済データを丹念に分析し、暮らしを脅かすだけのアベノミクスを告発しています。
経済的側面だけでなく、「倫理的側面からも考えてみなければならない」という著者の思いも込められています。