きょうはちょっと時間もとれ、約束もしていたので、ある記者から3時間ばかりの取材を受けました。福島県政を担当して間もないので、県政や県議会の様子全般の話を聞きたい、ということでした。
「議会前の知事申入れでの印象では、長谷部議員は知事や副知事といっしょにかつて仕事をしたりなど、仲良しの関係なのか?」の質問にはさすがに私も驚きました。
知事申入れ時には、私が党県議団の先頭で、「どうもね、よろしくお願いしますよ」ぐらいの気持ちで、執行部が居並ぶ部屋に入って、知事と副知事とは意識的に目を合わせるのですが、記者にはむしろ知事や副知事が「どうもね」みたいな感じの対応を私にしていたように見えたらしいのです。もちろん、私が知事や副知事とそういう関係にはありません。
ともかく、なかなか有意義な3時間でした。
それはさておき、私は民意と政治の関係をきょうは考えざるを得ません。「朝日新聞」がこの間、長谷部恭男・早稲田大教授(憲法。前は東大教授でした)と杉田敦・法政大教授(政治理論)の連続対談企画を掲載していて、きのう(7月6日付)は、「集団的自衛権の閣議決定を問う」がテーマでした。
そこで長谷部教授は「自民党内でも異論を口にしにくくなっている。小選挙区制の影響が大きい」と指摘しています。その根拠を語っているわけではないのですが、私は、彼が語ったその検証こそが必要だと思います。
今の衆議院は、2012年12月総選挙の結果による議席です。あの選挙で自民党は、300の小選挙区全体で43.0%の得票率で237議席(79.0%)、比例では180議席に対し得票率27.6%で57議席(31.7%)。合計294議席は総定数480に対して61.3%。
比例の得票数で議席配分すれば、480×27.6%で133議席。実際の議席はその2.2倍です。
しかも、全300小選挙区で議席に結びつかなかった「死票」は56.0%の3,730万票。死票率が50%を超えた選挙区が全体の6割を超える188におよびます。
そのうえ、総選挙当日の全有権者数比でいうと、比例で「自民党」と書いた人は15.99%。
だから、有権者の6人に1人(16.7%)も自民党には投票しなかったわけで、「国民の多数が自民党を選んだ、国民がばかだ」というのも正確ではないわけです。
民意をまったく反映しない選挙制度による選挙のこの結果が、政治へのあきらめや無関心を助長し、投票行動を避ける人を増やすことで比較第一党の議席を増やしてしまう、という悪循環を招き、そんなことにはお構いなしに「オレが国民から選ばれた首相だ」と思い上がる人物を生み出してしまっていることに、日本政治の重大課題を見出すべきときです。
(図はいずれも「しんぶん赤旗」2012年12月24日から)