『人口減少時代のまちづくり』(中山徹著、自治体研究社)を読みました。
日本は人口減少社会に突入しました。現在の日本のまちづくのり仕組み(都市計画)は、人口・産業が急増することを前提に、広域計画を優先し、財源は国の補助金に依拠するものです。
これからのまちづくりのためには、その前提がなくなるので、発想の転換が当然に求められます。ところが現実は、従来の発想が続いています。
本書では、少子化対策は本格的に進めつつ、人口が減少すること、なおかつ、生活の質の維持・向上を前提に、事業所閉鎖・撤退コントロール、大規模な自然環境の再生、公共交通の再編成、商店街の活性化と商業施設の計画的配置、地域景観の再生、そして地方分権と市民参加について語ってくれています。
民主党は「地方主権」をさかんに強調しますが、この場合の「地方」が、地域住民のことではなく、地域の経済界、土建業界をさし、道州制がこれを推進することにも警鐘を鳴らしています。
地域内で仕事をし、子育てし、買い物し、医療や介護も受けられ、移動もできる社会がこれからの社会です。公共交通を充実させること、第一次産業と医療・福祉・教育で雇用と生活を支えるまちづくりが大事だと思います。