おととい(11月25日)、秘密保護法案を審議中だった衆院国家安全保障特別委員会が、福島市で地方公聴会を開きました
7人の公述人全員が、法案に反対か、さらなる公聴会の開催など慎重審議を求める意見を述べたのです。
その翌日のきのう、福島のこれらの声を無視し、踏みにじり、特別委での討論さえ認めず採決を強行し、衆院本会議に緊急上程され、強行採決されました。
ある自民党県議は私に、「政権与党の側にいるが、福島の公聴会は単なるアリバイづくりのためのものでしかない、ということ。採択先にありきです」と率直です。
福島県議会は、9月定例会の最終日の10月9日、「本法案は、情報掩蔽を助長し、ファシズムにつながるおそれがある。もし制定されれば、民主主義を根底から覆す」とした意見書を全会一致で採択しましたが、これも自民・公明・みんなは頭から否定しました。新議長のもとでの県議会の姿勢が問われることになります。
こうした声が広がる前に通してしまえ、と、自民・公明・みんなは焦ったのでしょう。民主主義とは何なのかもその手続きの前提となる国民の声がどうなのかもまったく理解していない暴挙です。
さらに問題は中身。なにより、なにが秘密かも秘密。秘密指定期間も「修正」で原則30年から60年にのばされ、例外も設けられています。なにが秘密かもわからない秘密を政府の恣意的判断で決められます。
そして秘密の漏えいだけでなく、未遂・過失も処罰の対象、取材などで秘密を取材すること、その「共謀、教唆(そそのかし)、扇動(あおる行為)」も処罰対象。私が街頭で「秘密を明らかにせよ」と訴えると、処罰対象です。
だいたい、今でも政府は、07年につくった秘密基準に該当する情報を「特別管理秘密」としていて、それは16府省庁で計41万2,931件にのぼります。
そして日米安保条約のもとで、「核密約」「沖縄返還密約」を隠し続け、その存在がわかっていても、存在を認めず反省もないのが自民・公明の姿です。日米軍事同盟の秘密がいっそう拡大することは火を見るより明らかです。
まして、福島県議会意見書が「原発の安全性に関わる問題や住民の安全に関する情報が、公共の安全と秩序維持の目的のために『特定秘密』の対象に指定される可能性は極めて高い」との指摘は現実のものとなります。
参議院での徹底審議で廃案にすべき法案です。渾身の怒りを込めて訴えます。