『安倍政権で教育はどう変わるか』(佐藤学・勝野正晃著、岩波ブックレット)を読みました。
第一次安倍政権時の2006年12月、教育基本法が改定され、教育が「国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきもの」という文言が削除されました。教師に対する信頼は、教師がこの「直接責任」を果たすことによって得られるはずです。
この直接責任規定は、社会の意思と教育が直結されるべきことを意味し、その方法は、子どもとその保護者たちと教師との人間的交流です。
現在の安倍政権は、この「人間的交流」を断ち切った教基法改定に続き、教師と子どもとその保護者との距離をさらに拡大させようとしています。
その問題点を提示してくれていますが、本書の第1章「虚妄と妄想による教育改革」のタイトルに象徴されています。「現実に根拠をもたない思いつきと独善による政策」であり、「目隠し状態の暴走」です。
「これ以上、子どもも教師も、為政者の虚妄と妄想の犠牲にすることはできない」。