『原発はやっぱり割に合わない』(大島堅一著、東洋経済新報社)を読みました。
著者が一昨年に著した『原発のコスト』(岩波新書)は、昨年の総選挙まっただ中、第12回大仏次郎論壇賞の受賞が決まりました。
本書でも、原子力が、火力や水力などの既存電源と比べて非常に優遇され、国家財政から技術開発費用、立地対策費用などに多額の資金が使われていることを示してくれます。
福島原発事故の巨額な事故費用がこれに加わり、まして使用済核燃料の再処理をするようなことがあれば、そのための費用もふくらみ、原発のコストは上がる一方です。
しかも原発事故は、金銭換算できない被害をもたらし、私を含め、長期間にわたって被害者を苦しめ続けます。
まったくもって割が合いません。
電気料金の中に核燃料サイクルのための費用徴収システムが国民には見えないように組み込まれている金銭的仕組みを含め、原発への資金重点配分システムをなくし、再生可能エネルギーのために転用させなければなりません。