鳩山由紀夫首相(現民主党代表)は、2005年2月に『新憲法試案』(PHP研究所)を出版しました。
そのなかで鳩山氏は、民主党が03年10月総選挙マニフェストで打ち出した「創憲」について、「『創憲』は新しい憲法を創ることを意味するから、実は『改憲』よりも『改憲』的なのである」と言い切っています。
「それまでの民主党は『護憲』派にも気を遣い…『論憲』との立場をとっていたが、それでは何を言っているのかわからない」。要するに、民主党は改憲政党です、と宣言しているわけです。
そのうえで、戦力不保持と交戦権を否認した九条二項は「現行憲法の最も欺瞞的な部分」なのでこれをなくし、「自衛軍を保持する」とし、「明治二十二年憲法によって創始された議会主義と政党政治」を受け継ぐ憲法だから「天皇を元首とする」とまで明記します。
民主党歴代代表の憲法問題での考え方をひろってみました。民主党が05年秋にまとめた「憲法提言」もこれらの考え方にそっていることは言うまでもありません。
いったい憲法について、民主党が言うように、「足らざる点があれば補い、改めるべき点があれば改める」と、言葉だけ聞かされれば否定しようがない一般論で変えられるものでしょうか?