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あつしのOFF >> ブックトーク >>  ブックトーク-05年12月
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あつしのミュージックトーク
今は聞くことが中心になった
音楽について語ります。
あつしのブックトーク05,12
05.12.30 パンフレット
『自民党「新憲法草案」は日本をどこに導くか』
(憲法会議)
 自民党が50年の歴史の中ではじめて「新憲法草案」をまとめた。

 その名のとおり、憲法の一部を「改正」するのでなく、「新憲法」をつくるということ。ただ、民主党と公明党の合意が必要なため、部分的な改憲案になっている。とはいえ、日本国憲法の精神を根本から変える方向はしっかりと盛り込んである。

 日本国憲法の前文は、国民主権の原則をおしだし、政治が国民の幸福と利益のために行なわれるべきことを強調しているが、「草案」の前文は、憲法の基本原則の前に「象徴天皇制」について書き込んだうえ、「日本国民は…国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る」と、なによりもまず「国」があり、これを国民が支え、守れ、と言っている。

 まさに「お国のために」である。

 そのうえで、現行憲法が「戦力の保持」と「交戦権」を禁止した九条二項を廃止し、代わって、「自衛軍」の保持を明記。
 
 これによって自衛軍は、アメリカが判断することになるであろう「圧制や人権侵害を根絶」(草案前文)するために、地球上のどの地域であっても軍事力を行使することができる。自衛隊の現状を追認することが目的ではない。

 といったことなどを含め、自由や人権にも全面的な攻撃をかけていることも明らかにされている。

 現行憲法をしっかりと根づかせる政治と社会へ向け、みんなでおおいに学びたいパンフレットである。
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05.12.22 『逆転の翼 ペンシルロケット物語』
(的川泰宣[まとがわ・やすのり]著、新日本出版社)
 いまから50年前、全長23cmという、カラオケのマイクを細くしたくらいのロケット―ペンシルロケットが、現在の国産H-UAロケットにつながっていることをご存知だろうか。

 本文の最後の著者の言葉は、本書を感動をもって読み終えることができるはなはだ印象的表現だと思う。

 「自らの力を信じ、自らの足で歩んでいく志(こころざし)をもち、あくまで内発性を大切にして独創的な技術を追求しつづけること、そして世界にも稀(まれ)な平和憲法をもつ国として、平和利用に徹(てっ)して人類史に貢献すること―それがペンシルロケットの精神を真にうけついでいく道である」。

 「逆転の翼」という言葉そのものの解説はないが、このペンシルロケットが「敗戦のどん底から未来をめざす日本の人びとへ送った『逆転の翼』であった」と書き、そしていまの時代にあって、「閉塞感(へいそくかん)の雲が厚い私たちの祖国に、『逆転の翼』をかかげる若者たちが出現してほしい」と著者は訴える(「はじめに」)。

 彼は本書の冒頭で宇宙時代のパイオニアである3人の男を紹介しているが、そのうちの1人に直接こんな質問をした。「ナチス軍に協力して良心がいたむということはなかったか」。

 聞かれたパイオニアの答えはこうである。「宇宙へ人間を飛ばす目的のためならば、悪魔と手をにぎってでも働き続けたいと思う」。

 私はここに、科学者の社会的責任の問題が表れてくると思う。科学や技術が政治に利用されるようであってはならないが、彼の言葉は、科学・技術が政治の悪魔に利用されうることの証明でもある。

 それはともかく著者が「あとがきにかえて」で言うように、この日本には、「『いのちと平和を愛する心』をはじめとして、世界に誇れるものがいっぱいある。それをみんなで深めよう」
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05.12.21 『後藤田正晴 語り遺したいこと』
(岩波ブックレット)
 東大卒業後、内務省、防衛庁、警察庁をへて衆議院議員になり、中曽根内閣時代に官房長官をつとめ、ほかにも自治相、総務庁長官、副総理を歴任。
今年9月に91歳で亡くなった。岩波書店の『世界』9月号に掲載された加藤周一さんとの対談と、同じく02年4月号に掲載された国正武重(くにまさ・たけしげ)さんのインタビュー記事、そしてその国正さんによる「解説」をブックレットにまとめたもの。

 私が意外だったのは加藤さんとの対談。後藤田さんは、「朝日新聞」に掲載される加藤さんの「夕陽妄語(せきようもうご)」のファンで、これを読んで、ご自分の「学識の不足を痛感させられた」のと、「主張の明快さ」にはうらやましい思いもいだいていたとのことである。

 また国正さんは、日本共産党の不破議長が後藤田氏に『私の戦後六〇年』(新潮社)を贈呈したことに対し、死去の一週間前に「わが身と思いを合わせゆっくり拝読させていただきます」との不破氏への返書も紹介している。
私は後藤田さんの話に全面的に賛同するわけではないが、きわめて共感する部分が多い。

 日米安保条約を平和友好条約に切り換えるべきだ、ということや、「憲法の大きな役割を今後とも残す必要があると私は思う。ところが、いまの改憲の方向は、それとは逆の方向ではないか」などの指摘。

 自民党や民主党の若い議員にじっくり考えながら読んでほしいし、日本の「歴史に正対する」覚悟を後藤田さんの話を通じて持ってもらいたい。
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05.12.02 『安全・安心なまちを子ども達へ』
(中村攻[おさむ]著、自治体研究社)
 著者は地域計画・環境造園学が専門の工学博士で千葉大教授。子ども達が犯罪の被害者となり、また加害者となる状況の深刻さに心を痛める研究者の一人である。

 八王子の宮崎事件、神戸の酒鬼薔薇事件、京都日野小児童殺傷事件、新潟少女監禁事件、大阪池田小児童殺傷事件、世田谷一家殺害事件、奈良女児誘拐殺人事件、大阪寝屋川小学校教職員殺傷事件の事件現場を歩いて調査した報告でもあるが、至った結論は、まちづくりの視点であり、まちの空間やコミュニティの視点から犯罪現場を検討すること、ということである。

 「子ども達は次代を担う人間として人格の全面発達を促す環境づくりのなかで、安全の問題も扱う」という「人格の視点」と、「子ども達は犯罪から守られた安全な社会で生きていく権利を有しており、国や自治体をはじめ大人達はそうした環境をつくっていく責任を有している」という「人権の視点」とを基盤にすえ、当面の対応策と根本的な対応策とを結びつけることを強調している。

 当面のことに目を奪われるばかり、「知らない人を見たら犯罪者と思え」という子ども達を育てたり、住民の相互監視型社会づくりを助長するようなことになっていないか、とくと考える必要がある
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