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あつしのOFF >> ブックトーク >> ブックトーク-05年6月
06年後期06年前期12月11月10月9月8月7月6月青春
あつしのミュージックトーク
今は聞くことが中心になった
音楽について語ります。
あつしのブックトーク05,06
05,06,16 『内部被曝の脅威』(肥田舜太郎・鎌仲ひとみ著、ちくま新書)
 これは何よりも、肥田舜太郎の名前で買った。内部被曝については、彼の話や安斎育郎さんの話で、重大な問題であり、関係者はもれなく知っているもんだと思い込んでいたが、ぜんぜんそうではない。

 肥田さんは民医連創設者の一人であり、民医連綱領の「患者の立場に立って親切でよい診療」という言葉の生みの親。1917年生まれだから90歳近い。
 
 『民医連医療』編集時代に私は彼にインタビューし、その記録は94年7月号・264号に載せている。1時間半にわたるインタビューを9000字程度にまとめたわけだが、あの作業もはなはだ孤独な作業だったことを思い出す。反響が質・量ともかつてないほどだったので、そんな苦労は忘れたことも思い出した。
05,06,16 『姜尚中(カンサンジュン)にきいてみた!』
(講談社文庫、『アリエス』編集部・編)
姜尚中さんについては去年の5月に、なにかのきっかけで『在日』(講談社)という自伝を買っていたが、いまだに読めていない。彼は政治学の東大教授だが、なにかと共感するところがある。
05,06,12 『フリーター亡国論』(丸山俊著、ダイヤモンド社)
 著者はUFJ総合研究所職員の20代の若者。

 書名の真意は、「フリーターを生む社会が国を滅ぼす」だが、「同一労働・同一賃金の原則を導入」すべしとする主張はその通り、「労働市場に柔軟性とワークシェアリングの発想を持ち込む」というのもなんとなく共感できるが、「この国に、二重構造の片側としての正社員なんか要らない」の結論の意味が、よく理解できない。
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05,06,09 『戦争と芸術 「いのちの画室(アトリエ)」から』
(安斎育郎・窪島誠一郎の対談、かもがわ出版)
 窪島さんのいのちをいとおしむことからすべてが始まる話や、水鳥の哀しみをひとつのいのちに置き換える想像力、喚起力の話に感心。

 安斎さんの科学的・客観的命題と価値的・主観的命題の話も重要。
05,06,08 『モッタイナイで地球は緑になる』(木楽舎、福岡伸一訳)
 04年ノーベル平和賞受賞者のケニア共和国環境副大臣・ワンガリ・マータイさんの本。

 もともと日本語の「もったいない」を知ってから書いた本ではなく、ノーベル賞受賞の理由になった「グリーンベルト運動(GBM)」を書いたものである。彼女が「もったいない」を知ったのは、今年の2月、毎日新聞編集局長と話していたときのようである。

『もったいない MOTTAINAI』を読む。

 ワンガリ・マータイさんが、「もったいない」という言葉を日本で知り、「リデュース・リユース・リサイクル」の「3つのR」をひとことで表す世界へのメッセージだと直感したらしい。

 「『もったいない』の究極」は、「発展途上国の子どもたちに、最低限の生活を保障するためのお金は、年間約800億ドル」なのに、「世界中の政府が軍事費として使うお金は、その10倍」であること、と。
05,06,08 『欧州レポート 原子力廃棄物を考える旅』
(松田美夜子著、電機新聞ブックス)
 どういう人かは知らないが、日本の主要なリサイクル法制定に消費生活アドバイザーの立場からかかわってきており、生活ゴミついでに、放射性ゴミを考えてほしい、と国から要請があったらしい。

 というわけで「この本は、原子力についてもそのごみについてもまったく知らなかった私が、知りたいなと思ったことを、世界の現場を訪ねてまとめた本」(はじめに)であり、彼女のレポートから各国事情を追体験できる点はたいへん意味がある。

 スウェーデン、スイス、フランス、ドイツ、フィンランドと回り、各国の原子力廃棄物処分の現場にかかわる人や政府当局者に話を聞いている。

 どこも深地層処分を前提に場所を決定していたり、選定作業中で、なんだか民主主義的手続きのもと、国民的合意で着々と進められているような様子である。

 旅先で出会った人々は「みんなみんな、放射性廃棄物について真剣に考えているすてきなごみ仲間だ。彼らとのインタビューを通して、放射性廃棄物も管理をきちんとすれば怖くないとわかった」とかなりの楽天的感想。
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