余震の多さと大きさ/人間味をもって想像力を働かせるなら原発はなくす

「激しく大地が揺れることは、しばらくのことでおさまったけれど、その余震は当分絶えることがなかった。普段なら、驚くほどの地震が、2,30回、揺れない日はない。10日、20日過ぎていくと、ようやく間遠(まどお)となり、ある日は一日に4,5回、2,3回、もしくは1日おき、2,3日に1回など、その余震はおよそ三ケ月ほど続いたでありましょうか」(鴨長明「方丈記」、浅見和彦訳、ちくま学芸文庫)。

熊本地震の余震の多さと大きさに、つい思い出してしまいました。1185年、京都盆地の北東部を震源にマグニチュード7.4と推定される地震の際の鴨長明の記録です。

5年前の大震災のあと、ずいぶんと話題になったものでした。

160416NHKニュース【NHKニュースから】

きょうも一日、熊本地震報道番組をNHK、ANNで見続けました。

160416ANN報道特別番組【ANN報道特別番組から】

震源地が大分県下にも至ったことで、別府湾から九重(くじゅう)・阿蘇をへて島原半島に至る「別府・島原地溝帯」、別府湾から大分県西部にかけて活断層が帯になっている「別府‐万年山(はねやま)断層帯」という名前が出てきました。

地図を手放せず、ネットでの検索もしばしば。160416中央構造線またこれらと連なる、四国や紀伊半島を通る「中央構造線断層帯」にも影響を及ぼす可能性、南海トラフ巨大地震を誘発する可能性も触れられていました。

160416南海トラフ【以上2点、ウィキペディア】

いずれにせよ、この自然の営みと、命の犠牲を目の前に、人間味をもって想像力を働かせるなら、原発を止め、なくす決断は当然のことだと思います。160416日本の周辺の活断層分布と原発の位置【『地震列島日本の原発』(立石雅昭著、東洋書店、2013年)のカバー表紙の図】

 

「余震の多さと大きさ/人間味をもって想像力を働かせるなら原発はなくす」への1件のフィードバック

  1. 想像力、これこそが大切だ。
    活断層のラインが阿蘇周辺には一本も引いていない。
    これは現状では、火山灰の下に隠れ、確認されないだけに過ぎないのだろう(先月、私は秋田の大館シンポジウムで十和田aに関する群大の早川由紀夫氏の話を聞いてきたばかりだ)。
    こういう場所だけではなく、沖積地、市街地、海底、正確には掘ってみないとわからない場所が、ほとんど無数に存在している。
    専門家の言う、とぎれとぎれの「活断層」は想像力で補うしかないのが正しい現状認識だ。

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