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政策・提言 >> 障害者編

2006年06月議会一般質問
次に障がい者の自立支援策についてうかがいます。

 介護保険と同様、四月一日から障がい者自立支援法が施行されました。実施を控えた三月十一日には、この支援法が重圧になり、重度身体障がい者の娘を母親が殺害するといういたましい事件が福岡県で起こってしまいました。

 福祉関係者の間ではこの母親の寛大な処分を求める署名活動が広がり、その嘆願書には、「母親は介護の負担が大きく、生活にも疲れ、支援法への不安で心を閉ざし、不安定な状態になってしまっていた」と書かれていたそうです(「西日本新聞」四月十三日)。

 自立支援法の最大の問題は、障がい者が自立するために受ける社会的支援を、お金で買う商品と同じにみなして、応益負担を課すところにあります。子どもへの配慮もまったくありません。児童デイサービスでは、通園日数が多いほど支払いがふえるため、行事などの子どもの楽しみさえ、保護者は出費と相談する事態です。上限額の設定や減免では解決されない根本的な問題だと思います。

 私は、県が国に対し、この応益負担は撤回するよう強く求めるべきだと思いますが、障がい者への応益負担制度の評価とあわせ、県の考えをうかがいます。

 制度がどういじられようとも、その目的が、障がい者の生活を支えることであり、社会参加を実現することに変わりはありません。この目的を達成するには、自治体として総合的な視点をもった施策の実施が求められるし、そのためには何よりも、介護保険と同様、当事者・家族・事業者がおかれた実態の把握から出発しなければなりません。

 そこでまずうかがいたいのは、昨年度末の県内の支援費制度利用者は何人いて、負担ゼロだった人は何人いてその比率はどれだけだったのか、そして自立支援法施行によってそれぞれどう変化したのかお示しください。

 私は、障がい者が、その障がいゆえにかかる経費が大きいことにかんがみれば、障がい基礎年金だけで暮らすことすら困難な現実から、当面、県独自に、福祉サービス、自立支援医療、補そう具利用の負担額を合算しての総合負担上限額を設定し、なおかつ国が定める上限額よりも抑える措置をとることで、障がい者・家族の負担軽減を図るべきだと思いますが、考えをお聞かせください。
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保健福祉部長の答弁

 障害者自立支援法における応益負担制度につきましては、所得段階に応じた負担上限額の設定等のさまざまな軽減策が講じられ、障がい者の生活実態や負担能力にも配慮されているところであります。

 県といたしましては、今後、障がい者の声を聴きつつ、制度の影響や効果をよく見極めてまいりたいと考えております。

 障害者自立支援法施行による利用者数等の変化につきましては、情報提供のあった県内58市町村における平成18年3月の支援費の利用者数は、6820人、そのうち負担なしの人数は、46.9%の3200人となっているのに対し、平成18年4月の障がい福祉サービスの利用者数は、7078人となり、そのうち負担なしの人数は、10.1%の716人となっております。

 障がい福祉サービス等につきましては、それぞれに原則1割負担が求められるところ、所得段階に応じた負担上限額が設定されており、さらに、障がい福祉サービスについては、各種の減免制度等が設けられております。
 県といたしましては、今後、利用に伴う費用負担状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
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再質問

 保健福祉部長にお伺いいたします。

 応益負担の問題ですけれども、この負担の制度が導入されたことによって、「作業所への報酬が増えれば、利用者の負担が増える」という関係なんですね。そして「利用者負担を減らそうとすれば、作業所への報酬が減る」という関係なんですね。この応益負担の関係というのは。
 
 つまり作業所と利用者の間を利害関係の関係においてしまうというのがこの応益負担の効果ではないかと思います。障がい者施設はもともと低賃金の職員であるとか、非常勤の職員によって支えられています。それなのに今回の自立支援法の応益負担といった制度の導入によって、結果として作業所としては給与の削減をする、職員の削減をする、あるいは利用者が楽しみにしている旅行を中止をすると、そういった措置をとる施設も出てきているというふうに聞いています。

 私は、これは根本的に応益負担という制度を導入したことによるものであると認識していますけれども、その認識は保健福祉部長としてはおありなのかどうかお聞かせいただければと思います。
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保健福祉部長の答弁

 自立支援法に基づく障がい者の応益負担制度でございますが、従来は支援費制度がございまして、利用した分だけ支援費でサービスを提供させていただくという制度がありましたけれども、今回の法律改正によりまして、利用した分も1割を利用をした側が負担するそういう制度にかわったわけでございます。

 ただ、先ほどもご説明いたしましたように、それぞれのサービスに負担上限額、あるいは軽減策が講じられての制度の施行でございました。ただ、障がい者はもともと十分な就労所得があるわけではございません。大半の方が6万円台から7・8万円台だと思いますが、その程度年金収入しかない方がほとんどであろうと考えております。

 そういたしますと自立支援法上の施設に移行した施設を利用される方は、自分の限られた年金収入の中からサービスの1割負担を払う。こういうことになるということでございます。

 この件につきましては、私どもも国に対しまして、この支援法を施行するにあたっては、障がい者の就労支援等、十分な所得の確保策を講じていただきたい、こういうような申し入れもしたところでございます。先ほども申しましたように、今後この制度の利用につきまして、障がい者の声を伺いながら、どのような影響があるか、あるいはどのような効果があるか、よく見極めてまいりたいと考えております。

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再々質問

 
応益負担とかかわるんですけれども、支援費制度の時に負担がなかった方の負担が大幅に増えました。通所施設では支援費制度のもとでは9割近い人が、無料だったと思うんですけれども、応益負担による1割負担というのは大きな負担になるということは、先ほどの部長のお話の中でも明らかだと思います。

 住民税非課税世帯で年収80万円以下の低所得1の場合であっても、月額上限が1万5千円なんですね。国の制度のもとでは。年収80万円以下の人にとって、無料からいきなり月額1万5千円、年18万円ですから、障がい者にこういう負担を押しつけておいて、これが軽減策で配慮されているというふうには私にはとても思えない。

 あらためて県独自の福祉サービスだけではなく、福祉サービス、自立支援医療、それから10月から始まる補装具の利用、この3つのサービスを合わせた形で独自の上限額をキチッと設定して、国の負担上限よりも減るようにすべきではないかと思いますので、あらためて見解をお示しいただければと思います。
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保健福祉部長の答弁
 
 
自立支援法による負担の増の問題でございますけれども、それは先ほど申しあげましたように国もそれぞれ上限額の設定などさまざまな軽減策を講じて制度を実施したところでございますけれども、なお、障がい者のみなさま方がどういう状況にあるか、よく県としても把握をしたいと考えております。
   
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2005年02月議会一般質問
次に、いのち・人権・人格を尊重する社会の形成にかかわって伺います。

 まず、重度心身障がい者医療費補助事業についてです。この事業は、一九九四年十月からの国による入院食事代の保険外しの際にも、入院時の食事に要する費用について助成対象としてきました。県の説明では、その目的は障がい者などの社会的弱者に対する医療面からの福祉の向上、健康の増進です。二〇一〇年までの計画期間である福祉プラン21においては、自己負担の軽減により経済的支援を行うこととしています。

 九四年以降、消費税は、五%へ引き上げられ、新たに介護保険料が徴収され始め、勤労世帯の家計収入は減り続け、年金も削減され、相次ぐ増税や控除の廃止、縮小があり、障がい者やその家族の暮らしは、経済的にますます追い詰められているのが実態です。しかも国は、県が入院時の食事に要する費用を自己負担させようとしている同じ十月から、精神障がい者を対象とした通院公費、身体障がい者を対象とした更生医療、十八歳未満の身体障がい児の育成医療の三制度で、入院時の食事代を含めて自己負担を導入しようとしています。 社会的弱者へのダブルパンチ、トリプルパンチの片棒を県がかつぐことになります。

 例えば、いわき市内では大腸がん、肺気腫、気管支ぜんそく、慢性呼吸不全で在宅酸素療法を行っている七十代の男性は、妻と二人暮らしで無年金。若いころからの自営業を続けていたものの、収入は不安定で、入院するときも病院から電話をして仕事のやりとりをしていました。医療費補助が償還払いのため、貯蓄を切り崩したり、子供たちからの援助を受けたりして医療費の支払いをやりくりしていました。

 こういった人たちの自己負担を増大させることが、いのち・人権・人格尊重の社会形成を目指す行政のすることでしょうか。血も涙もないとはこのことではないでしょうか。私は、障がい者施設の職員から、「障がい者が県の借金をつくったのではないのに、なぜ障がい者が痛みを押しつけられないといけないのか」と訴えを聞いてきました。まさにそのとおりです。

 県は、障がい者の年金を初め所得が減っている現実をどう受けとめているのでしょうか、伺います。

 「市町村と県はイコールパートナー」、「実施主体は市町村」とは県がよく言う言葉ですが、重度心身障がい者医療費補助事業の今回の見直しの際、市町村への一方的な事前の通知だけで、協議もなしに行うことは、 市町村とのイコールパートナーの観点からもおかしいと思いますが、見解をお示しください。

 そして、ことし十月からのこの見直しの実施を撤回すべきだと思いますが、見解をお示しください。

 関連して、障がい者の地域移行のための条件整備を促進するため、グループホームの改修費や、初度設備費に対する補助事業については、来年度に希望する社会福祉法人などはすべて対象とすべきだと思いますが、 知事の見解をお聞かせください。
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保健福祉部長の答弁

 障がい者の所得状況につきましては、まず、障害基礎年金が平成十五年度から減額されておりますが、これは、我が国の年金制度に物価スライド制が導入されているためであります。

 また、障がい者の所得に関しても、近年の国民総所得の減少傾向からやはり減少していると考えておりますが、これらはいずれも、長引く景気の低迷という社会経済状況を反映したものであり、我が国の全体的な状況と受けとめております。

 次に、重度心身障害がい者医療費補助事業の見直しにつきましては、これまで、十市の担当部長会議などにおいての見直し方針の説明や市長会及び町村会への説明を行ってきたほか、保健福祉事務所を通じて各市町村への説明も行っております。

 なお、この事業は、市町村が重度心身障がい者に対する医療費の支給事業を行う場合に、当該支給事業費の一部を県が市町村に補助するものでありますことから、市町村における予算編成や条例等の改正など所要の対応を考慮し、あらかじめ見直しに関する通知をしたところであります。

 次に、この見直しの実施につきましては、広く障がい者福祉施策全体の推進を図る中で、既存事業の見直しの一環として、入院時食事療養費の標準負担額、いわゆる入院時に提供される食事のうち、食材費相当分を補助対象外とし、間接的に自己負担を求めようとするものであります。

 その趣旨は、食材費という実費は、入院の場合も在宅の場合もひとしく負担するという、いわゆる入院、在宅の負担の公平化を図ろうとするものであります。

 今後は、この改正の趣旨を関係の障がい者団体等に十分説明するとともに、広く周知を図りながら、ことし十月から施行してまいる考えであります。

 次に、障がい者グループホームの開設に伴う経費の補助事業につきましては、社会福祉法人等に対する開設予定数の調査に基づき、対象箇所数を計上したところであります。
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2004年12月議会一般質問
次に、地震防災についてお伺いいたします。

 一つは、住民に対する地震情報伝達手段です。いわゆる災害弱者と言われる方々、特に聴覚障がい者への情報伝達手段は不可欠ですが、市町村の情報伝達体制について、県はどう把握されているのか伺います。また、災害時に聴覚障がい者が緊急信号や緊急通報などを発受信できる手段について県はどんな支援策をされるのかお聞かせください。

 関連して、県の第二次障がい者計画でも位置づけられている聴覚障がい者情報提供施設の整備計画をお伺いいたします。
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保健福祉部長の答弁

 災害時の聴覚障がい者への支援につきましては、字幕や手話による一般番組を初め災害時の緊急信号や放送も受信できる聴覚障がい者用情報受信装置、いわゆる「目で聴くテレビ」や、ファクシミリなどの給付に対する助成事業を行い、その普及を図っておりますが、今後はこのほか、携帯電話によるメールの活用も検討してまいりたいと考えております。

 また、ファクシミリでも利用可能な障がい者一一〇番を設置しているほか、県警察本部においても、警察SOSメール一一〇番が設置されており、災害時における聴覚障がい者からの各種相談や通報等への対応も可能と考えております。

 次に、聴覚障がい者情報提供施設につきましては、今年度策定した第二次障がい者計画において、聴覚障がい者のコミュニケーションを確保し、社会参加を支援するための拠点施設と位置づけておりますが、具体的な整備計画については、既存施設の活用を含め、関係団体の意見も踏まえながら、今後検討してまいりたいと考えております。
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