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政策・提言 >> 地方分権・市町村編

2006年11月議会一般質問
次に、地方分権にかかわってうかがいます。

 知事が所信で「地方分権社会の確立」を掲げたことは当然のことだと思います。問題はその中身です。とくに国との関係でどういう姿勢をもつかは、分権の確立をいう以上、重要だと私は思っています。

 前知事辞職後の知事選にあたり、福島県町村会長が「福島県町村会として今後の発展を願って」とした談話を発表しました。

 そこでは、「今後、改革の名のもとに地方が追い詰められることのないように」と危機感をこめた表現で、中央政府につき従うような県政にははっきりと反対の姿勢を示し、「地方の発展に思いを込めた信念を持った強いリーダーを望む」と強調しました。

 国が「改革」の名において、地方交付税や国庫補助・負担金削減などさまざまなしわ寄せをしているもと、町村会長談話に正面から答えることは重要です。そこで知事は、地方分権を確立するために、国に対してどのような姿勢でのぞみ、市町村との緊密な関係をどう築かれようとするのか、お聞かせください。
 
総務部長の答弁

 地方分権につきましては、住民に身近な行政を担う地方自治体が、その役割を十分に発揮できる権限や税財源を有し、自らの判断で特色ある地域づくりを行えるようにするものであります。

 そのため、地方6団体等との連携の下、国から地方への権限及び税財源の更なる移譲、様々な規制緩和や過剰関与の撤廃等、地方の実情を反映した分権改革となるよう、今後とも、国に対して強く訴えてまいります。

 また、市町村の自主的、主体的な取り組みを尊重することを基本として、常に地域の実情に目を向けながら、イコールパートナーとして市町村との連携を深め、住民本位の地方自治の確立に努めてまいる考えであります。
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2004年06月議会一般質問
 次に、市町村合併と市町村支援にかかわって伺います。

 最初に、一九六六年十月、五市四町五村が合併したいわき市の姿の一端を紹介をしておきます。六六年からことしまでにいわき市の人口は八・三%増加していますが、市内周辺に位置する中山間地である川前、三和、遠野、田人の地域はそれぞれ四七・三%、三八・六%、二二・四%、五五・四%の減少です。田人は合併当時五千五百人ほどの人口だったのが、今や二千五百人を切っております。六十五歳以上人口比率は、市全体が二一・二%なのが、さきのそれぞれの地域は三三・六%、三〇・五%、二七・九%、三四・二%です。

 一方、市の職員数は、合併当時に周辺四町村職員は二百九十人だったのが、今や四十一人、八割以上の職員削減です。人口減少も高齢化も著しい、そして行政サービスの低下。民間介護保険サービスすら在宅では受けられない高齢者の実情を私は聞いてきました。また、バス路線は、一つの市内であるために、広域路線扱いにならず、三十六路線あった国庫補助路線はすべて対象外となり、市が一定の対応をしたものの、廃止路線が相次ぎ、今や地域の足は奪われてしまった状態です。疲弊させられるこうした中山間地域の問題が隠されてしまうという側面が合併にはあると思います。

 当時の工業開発を推進するための新産業都市づくりという国策を背景に、県、市の行政が推進主体となり、住民の自発的な合併への機運がないまま進められた合併が生み出したものと思います。

 さて、今回の政府主導の合併押しつけに当たり、県は当初、市町村とのイコールパートナーを強調し、市町村が住民とともに自主的、主体的に行った判断、選択を尊重し、合併しようがしまいが支援する姿勢を示していました。しかし、昨年十月に市町村へ示した地方交付税の推移に関するシミュレーション例については、極めて偏った情報提供なのではないでしょうか。すなわち、合併しなければ市町村は財政状況が大変なことになるぞという結論を押しつけるものです。

 まず一点は、ことし五月十三日の県総決起大会でも地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を求めているにもかかわらず、その立場をあいまいにして、国の財政再建のみを優先させ、地方へ負担転嫁する現在の国策が貫徹されることを前提としてシミュレーション例を市町村へ提供したのはなぜでしょうか。

 二点目は、シミュレーション例の前提条件は、合併しても、いずれ財政事情を逼迫させるわけですが、なぜ合併しない場合のみを示したのでしょうか。以上二点についてお聞かせください。

 さて県は十年前、地方分権推進ビジョンを発表しています。ここで言う 「住民を基本とした新市町村主義」は、その表現からも、住民の意思と参加、協働によってその地域を運営する住民自治の側面に重きを置いたものと私は理解しています。それは、新市町村主義の説明の中で、「住民に最も身近な、住民の意向が反映されやすい、そして住民が積極的に参画しやすい市町村」との表現でも裏づけられると思います。

 そうであるならば、むしろ小規模な自治体の方が住民参加や住民協働を進めやすいということは、理屈の上でも実践的にも明らかではないでしょうか。その点で言うならば、合併を選択せず、小さくても輝く自治体の存続を可能とするような県としての支援を具体化することが筋ではないかと考えますが、知事の見解をお示しください。

 例えば、長野県の市町村自律支援プランでは、合併する、しないにかかわらず、県みずからが参画して広域連合制度の研究を進め、県として専門分野の職務経験者を派遣して町村の行政機能をサポートしたり、市町村、広域連合などにおける専門的な行政需要などに対応するために必要に応じて県職員を派遣したり、さらには条件不利地域の集落を有する財政力の弱い市町村に対して、集落創生交付金を創設するなど、すべての市町村を対象とした支援策を進めています。市町村を包括する広域的な自治体として、福島県も、市町村と連携、協働して、地域の自治の確立へ向け、こうした具体的な人的支援、財政支援策を講じることこそ、イコールパートナーとしての県の役割と考えますが、知事の見解をお聞かせください。
総務部長の答弁

 財政シミュレーションの例につきましては、地方財政における財源不足の状況や地方財政計画の内容等を踏まえ、市町村の長期的な財政見通しと計画的な財政運営に資するため、収支見通しの策定に参考となる資料として示したものであります。

 次に、シミュレーションと合併の関係につきましては、作成時点における市町村の今後の収支見通しを考える上での推計手法を示したものであり、合併等それぞれの市町村の特殊要因は勘案しておりません。

 次に、合併しない市町村への支援につきましては、その求めに応じて、行財政効率化や専門性の確保を図っていく上での方策等についてともに考えていくなど、市町村の自主性、主体性が発揮されることを基本に支援してまいる考えであります。

 次に、市町村への支援における県の役割につきましては、自立した総合的な行政主体としての市町村の判断、取り組みを尊重しながら、その求めに応じて、市町村が取り組むべき課題や対応策等についてイコールパートナーとしてともに考え、可能な限りの支援を行っているところであります。
再質問

 市町村合併についてなんですけれども、実は昨年の一月七日に、福島県は福島県市町村行政支援プランというのを作成をしておりまして、これを見ますと、市町村は新たな行政需要への対応、厳しい財政状況への対処、効率的な行政体制の確立、行政基盤の強化、自治能力の一層の向上が要請されていて、これらの課題を総合的に解決するための有力な手段として合併があると、こう、この文書に書いてあるわけです。総合的に解決するための手段としてなぜ合併なのかというのは、そういう説明は書いてありません。

 これは、総務省がそういう話をしているからという、全く論理的でない理由しか見当たらないわけですけれども、一方で、県の地方分権推進ビジョンが言う新市町村主義というのは、先ほど質問の中でも引用させていただきましたように、市町村は住民に最も身近な行政主体として、住民生活に密着した分野や地域の特性を生かせる分野など、まさに住民や地域に光を当てようとする方向を示しているというふうに私は受けとめています。ですから、このビジョンが言っている方向と、去年プランが打ち出した説明もない合併に対する評価との関係を、どう認識されているのか、説明、御答弁をいただきたいと思います。

 その説明責任を果たしてもらわないと、新市町村主義をさらに発展をさせるといっても、どうも言葉遊びの空想的な市町村主義になるのではないかというふうに思います。

 それと、市町村支援にかかわってですけれども、この分権推進ビジョンでは、新市町村主義とあわせて、国から地方に大幅な権限移譲、地方財政基盤の強化、国の関与・規制の緩和というのを強調しています。私は、このビジョンそのものを具体化する方向というのは、住民自治や住民の統治能力の向上を第一の目標として、地方へ税源と権限を移譲する、財政自主権を拡大する、 ナショナルミニマム保障のための地方財政調整制度の意義は認めた上で、国家的な統制をできる限り排除しながら、小規模自治体への財源保障と格差是正を行う。こういうことが県が言っているビジョンの方向なのではないかというふうに私は理解をしていますが、したがって、合併とは何らかかわらない方向だと思います。むしろ、このビジョンの示す方向というのは、それこそ小さくても輝く自治体を応援する方向ではないかと思うわけです。

 合併する自治体に一億円の助成をしていながら、県が示す方向を目指す市町村へは新たな具体的財政支援がないというのは、矛盾ではないかというふうに思うものですから、合併を選択しない市町村への支援の新たな具体化、これが必要ではないかと思いますので、改めて答弁を求めます。
総務部長の答弁

 初めに、昨年の一月七日の支援プランの中で、いろんな課題を総合的に解決する手段として合併があるということで申し上げておりますが、基本的には、そういったものを総合的に解決する手段として合併があり得るという方向性を、その中で示したわけであります。

 また、二つ目にございました、合併を選択しない市町村に対する支援でございますが、これにつきましては、例えば、私ども総務部の仕事で申し上げますと、イコールパートナー推進事業というようなものを、一振興局当たり一千万ということで用意しておりまして、その中で、それぞれの市町村が持ついろんな課題について、県及び市町村が一緒になって考えましょうというようなことで、合併するしない関係なく、そのような支援策を講じているようなものでございます。

 また、総務部以外で申し上げますと、これもまた例えばになりますが、只見町の朝日診療所における、いわゆるそういった医師不足の問題についても、これについても一市町村の問題ではないと、県全体の問題であるというような観点から、いわゆる合併するしないと、そういうことではなくて、それぞれの市町村の課題について、県としても真摯に、まじめに向き合っていこうというものでございます。

再々質問

 ちょっとわかりにくい説明ではあったんですけれども、市町村支援にかかわって確認をしたいのは、この間出てます福島県地方分権推進ビジョンなんですけれども、これは冒頭で、都道府県よりも市町村を優先すべきだと指摘したシャウプ勧告に触れていますけれども、私はこのシャウプ勧告というのは、むしろ市町村自治の財政基盤を拡充するための税制を勧告したところが重要だと思いますが、住民生活に密着した多様な分野で自主的、自立的な施策を市町村が展開する大前提が財源にあるということは、当然認識されていると思うんですけれども、その点ちょっと確認したいということと、その上で、例えばことし、県は今年度の市町村普通会計当初予算の概要というのをまとめておりますけれども、全体として地方税の減収、地方交付税、臨時財政対策債の減少で歳入減、一方で扶助費や繰り出し金が前年度より増加して、非常に厳しい予算編成を行ったと、こういうふうに評価をしているところです。

 ですから、こうしたもとで、自主的、自立的な施策展開を市町村はすべきであるといっても、机上の空論にならざるを得ないのであって、やはり確実な財源がない以上は、イコールパートナーとしての県が、市町村民である県民の立場で福祉の増進を図るために、私がいろいろ言った施策に対する財政出動をすることが必要なのではないか。それが筋ではないかというように思うんですけれども、お伺いをいたします。
総務部長の答弁

 市町村が自立して自分で仕事を進めていく。そのためには、市町村、県も含めてでございますけれども、地方が自由になる財源が必要だということでございます。そのために五月の十三日の総決起大会であるとか、五月二十五日の全国地方六団体のああいった総決起大会があるわけでございます。前提としては、権限の移譲と財源の移譲、これはセットで考えるべきだということでございます。

 それから、自主的に判断していく中で、しからば広域団体である県がすべての分野において、市町村のあらゆる事務にまで財源保障をすべきかどうかについては、それは極めて大きな問題であるし、十分に検討せざるを得ない問題であるというふうに認識しております。
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