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政策・提言 >> 子ども編

2006年12月議会一般質問
次に「認定こども園」に関わって、県の考え方をうかがいます。

 条例案で、三〇人学級を基本としたこと、幼稚園・幼保連携施設を除いて調理室を必置としたことは評価できるものです。ただし、食育の重要性が強調されており、乳幼児期の子どもの食生活の基礎づくりのためには、すべての「認定こども園」に自園調理のための調理室・調理員の配置を義務づけることが望ましいことは言うまでもありません。

 問題は、この「認定こども園」制度が、経済財政諮問会議、総合規制改革会議などから「構造改革」の一環として計画されたことにともなうものです。

 たとえば現在の私立保育所が「認定こども園」の認定を受けると、保育料は施設ごとに決めるために市町村内でまちまちになりえます。同様に、入所選考は施設ごとに行なうので、市町村による全体を見た選考ではなくなるため、同一市町村内で優先度の高い子どもがこども園に入れない事態が発生しえます。また同様に、保育料はその施設に直接支払うことになるため、保護者がなんらかの事情で保育料を滞納すると、子どもの退所につながりえます。

 これはなにも、私立幼稚園がダメなのでなく、児童福祉施設である私立保育所を、学校である幼稚園と同じ位置づけにすることによって、公的保育制度に大きな穴があきうる、という問題です。

 児童福祉法のもとでは、保護者の所得に関係なく保育の質が保障され、市町村単位で緊急度に応じて入所が保障され、保護者の事情に関係なく保育の継続が保障され、市町村単位での待機児童解消計画が保障されるわけです。

 そこで、私立保育所が「認定こども園」の認定を受けた場合、保育料の決定、入所選考、保育料の徴収が市町村事務でなくなることによる影響が、子どもたちに及ばないようにする担保を県としてはどのように考えているのか、お示しください。

 もうひとつ、幼稚園や認可外保育施設が「認定こども園」の認定を受けると、保育に欠ける子どもをあずかっても、認可保育所のような児童福祉法の規定はまったく適用されません。

 すなわち、選考の公正さは求められず、保育に欠ける子どもに対する応諾義務は持たず、保育料は家計への影響を配慮して決められず、市町村はその保育料の変更命令は出せません。

 そこで、「認定こども園」の認定を受けた幼稚園や認可外保育施設が、保育に欠ける子どもをあずかっても、認可保育所に課せられている入所選考や保育料に関する児童福祉法の規定が適用されないことについて、県としてどのようにお考えなのか、お聞かせください。

保健福祉部長の答弁

 認定こども園につきましては、私立保育所が認定を受けた場合、保護者が施設を選択し、直接契約を行うことになりますが、法律により、保育料については、市町村への届け出事項であり、家計への影響を考慮して決定することが規定されているとともに、市町村長に変更命令権が付与されております。

 入所選考については、公正な方法で選考することが義務付けられており、また、保護者が保育料を滞納し、退所となった児童については、市町村長が他の保育所に入所させるなど適切な措置を講じる必要があるとの国の見解が示されているため、県といたしましても、その周知等に努めてまいりたいと考えております。

 次に、幼稚園や認可外保育施設につきましては、現行制度の中で保育に欠ける子どもを預かっており、認定こども園の認定を受けた場合でも、適切に対応されるものと考えております。


再々質問

 こども園のことですけれども、条例案でたとえば、子育て支援事業をぜひやりなさいと、そんなことも書かれていますし、当然そうすると事業者の方がそういった人をキチッと常勤配置をするとか、あるいは障がい児を受け入れるために特別な配慮を必要とする子どもたちを保育するための保育者を配置するとか、そういうところも出てくると思うんです。

 問題はそういった保育者の配置基準の上乗せとか横出しとかね、そういったことに対する助成をキチッとやることによって、こども園の継続的・安定的運営を県としては責任を持つのかということが1つです。

 それから認定こども園を認定した後のこども園の状況の聴取をしたり、あるいは指導監督をしたり、報告の精査や必要な立入調査をしたり、改善勧告などをして、こども園の充実を図るという県としての責任を果たすという仕組みはどのようになっているのか、その2点もお聞かせいただければと思います。

保健福祉部長の答弁

 こども園への支援でございますけれども、認定こども園は基本的に何もなかったところから新しくできるというよりは、保育所ベースがあったものが認定こども園の機能を持つ、あるいは幼稚園をベースにして認定こども園の機能を持つ、あるいは両方歩み寄って中間的な幼保一体型といいますか、そういうものをつくったりすることになっております。

 従いまして、ちょっと面積が足りないから、新しい施設設備がほしいといかそういう話はあろうかと思いますが、基本的には幼稚園と保育所の、あるいは認定外保育所も県は助成しておりますが、そういうものも助成はそのまま続きます。

 ですから指導監督につきましてもその枠組みを変えずに、総務部、教育長、保健福祉部それぞれ連携して指導監督に当たるということになっておりますので、あまり心配はないと思っております。

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