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政策・提言 >> 原発編

2007年2月議会 総括審査会
長谷部淳委員
 原発問題に移ります。委員会では知事にお聞きできないもんですから、この場を選んだんですけれども、そういうことでお聞きいただきたい。
 昨年の12月5日、第1原発1号機で20年近くにわたって温排水のデータが改ざんされていたということが発覚して以来、1月31日には10基中9基で法定検査で不正をはたらいていた問題、3月1日には第2原発1号機で1985年に原子炉緊急停止をしていたことを隠蔽していたことも明らかになりましたが、こうした事態に対して、この原因をどのように認識されているのかお答えいただきたいと思います。

生活環境部長
 原子力発電所におけるデータ改ざんにつきましては、広範囲かつ長期間にわたり県民の県民の信頼を損ねる行為が行われていたものであり、極めて遺憾であります。
 こうした不正の原因につきましては、当時の事業者における運転優先の対応や法令遵守の軽視など、企業倫理、企業風土の問題、さらには品質保障上の問題などがあると受け止めております。
 また、こうした不正が半ば常態化していたことは、原子力発電所の安全確保に真に責任を持って対応してこなかった国の規制機関にも問題があると認識しております。

長谷部淳委員
 運転優先だとか、企業倫理の問題も確かにあると思うんですよね。もっと根本的な問題があるのではないかと私は認識しているんです。たとえば1979年3月、アメリカのスリーマイル島原発で炉心溶融事故がありました。それを受けて大統領の直接の指示で米国大統領特別調査委員会というのがつくられて10月に報告書が出されます。一般的に「ケメニー報告書」と言われるものですけれども、そのなかで、「原子力発電所は十分安全だという考えがいつか確たる信念として根を下ろすに至ったという事実がある。この事実を認識してはじめて、スリーマイル島事故を防止し得たはずの多くの重要な措置がなぜとられなかったのか、を理解することができる」「こうした態度をあらため、原子力は本来危険をはらんでいる、と口に出して言う態度に変えなければならないと、当委員会は確信する」。こう報告しているわけです。一言でいうと安全だという思いこみ、安全神話をあらためることが事故から導びかれた教訓ということですけれども、原子力は本来危険をはらんでいると口に出して言う態度をとれるかどうかをお聞かせください。

生活環境部長
 原子力発電につきましては、放射性物質を取り扱うことから潜在的に危険性を伴うものであり、エネルギー源として利用していく上では、安全確保のための万全の対策と不断の取り組みが不可欠なものであると認識しております。


長谷部淳委員
 答弁は長いんですけれども、原子力は本来危険をはらんでいると口に出して言う態度をとれるというふうに受け取らせていただきます。
 2002年の不正発覚の時に、当時の知事は98年10月のプルサーマル事前了解の件で、こういったんです。「国は原発は安全だとずっと言ってきた。だから事前了解のための4つの条件を付けたのに、それは全部砂上の楼閣だった。撤回も何も、そういう状況ではない。副知事の言葉によると『自然消滅』ということだ」そのうえで「白紙撤回されたと認識している」とお話をされたわけであります。現知事は本会議場で、本県でのプルサーマル計画について「議論以前の問題」と答弁されましたけれども、知事ご自身は選挙前の公開討論会で「○」を上げた方なので、率直に言って「議論を始めれば導入もあり得る」ともとれるんで、私は「白紙撤回」の状態を変えないという立場を明らかにしたととって良いか確認をしたいと思います。

生活環境部長
 プルサーマル計画については、県民の信頼が大きく損なわれているところであり、議論以前の問題であると認識しております。


長谷部淳委員
 原発の問題で、温排水データ改ざんの問題を県としては原因をどうととらえているか。

生活環境部長
 温排水にかかわるデータ改ざんの原因につきましては、運転優先の対応や法令遵守の軽視など、企業倫理、企業風土の問題、さらには品質保証上の問題などがあると受け止めております。

長谷部淳委員
 倫理、風土の問題も当然、先ほどの問題と共通してあるんですけれども、それだけかなあという思いがするんです。
 福島第一・第二原発の各号機の設計上の水温上昇値は何度に設定されていて、年間を通してフル稼働した場合に排出される温排水は何トンで、さらに福島の原発のこれまでの設備利用率を示していただければと思います。

生活環境部長
 県内の原子力発電所における設計水温上昇値は、各号機により摂氏7.0度から9.2度となっており、温排水量は、年間常時稼働した場合、福島第一及び福島第二原子力発電所合わせて約184億トンとなっております。
 また、運転開始から平成17年度末までの設備利用率は、福島第一で65.4%、福島第二で71.8%となっております。

長谷部淳委員
 いま稼働率が報告ありましたけれども、仮に平均で70%としたら、温排水は128億トン超となる。猪苗代湖の貯水量が38.6億トンだから、3.3個分なんですね。設計値は7度から9.2度ということですから、その水が7度温められるとすると、石油1リットルの熱量が1万キロカロリーとして計算すると、その水量の水を7度温めるのに必要な石油は900万キロリットル。西庁舎が9.5万キロリットルですから、これをバケツにすると約95杯分、すなわち福島の原発だけで猪苗代湖3.3個分の水量を西庁舎95杯分の石油で温めて、毎年放水しているということになるわけです。これに広野火力、相馬共同、東北原町、常磐共同火発を含めると、猪苗代湖5.7個分の水量を西庁舎162個分の石油で温めて毎年放水しているとこういうことになるんです。放水温度データを低く改ざんするということは、環境への影響を小さく見せるということになるんです、結果的に。温排水の海水への影響、特に温暖化への影響を隠蔽する目的、動機があったのではないかと私は思うんですが、そこは確認されたかどうかお聞かせください。

生活環境部長
 温排水調査は、排出される温排水による周辺海域の海洋生物への影響等を把握するためのものであり、温排水については地球温暖化問題とは関連性がないものととらえるべきと考えております。

長谷部淳委員
 先ほど紹介したような大変な水量が大変なエネルギーでもって海に流されているということは、まったく影響がないかどうか、もちろん研究しなければわからないということではありますが、私は原発立地県、火発もありますが、福島の場合は10基の原発をもっているということでありますから、地球温暖化への原発立地県としての視点から問題提起も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

生活環境部長
 地球温暖化につきましては、気候変動に関する政府間パネルの最新の評価報告書において地球規模の温室効果ガスの増加がその原因であるとほぼ断定されております。
 原子力発電所からの温排水は、地球温暖化問題とは別のものと考えております。

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2006年11月議会 一般質問
次に原発行政にかかわってうかがいます。

 知事は所信表明で、「プルサーマル計画など原子力政策については慎重に対応」すると述べられました。そこでまず、知事選告示の前日、日本青年会議所福島ブロック協議会が主催した公開討論会で、プルサーマルに賛成とした態度とこの所信との関係をご説明ください。

 プルサーマルの問題では、モックス燃料を使うことで核分裂反応による生成物が増大し、放射線量が格段にふえる問題、原子炉の制御棒の効きが悪くなる問題、放射線の防護が困難になる問題、作業員の内部被ばくの危険が増大する問題、原子炉に異常が生じた際の問題、試験的な運転をいきなり商業用原子炉で行なおうとしている問題、老朽原発で使うことで強い放射線による老化現象をさらに早める問題、核分裂をしない始末に終えないプルトニウムが蓄積される問題、さらには高レベル放射性廃棄物中に数万年という極端に寿命が長い放射性元素が増加するのに、その処分法すら決まっていない問題など、山積状態です。

 私は、こうした状況のもと、前知事が決断したプルサーマルの白紙撤回状態をくつがえす条件はまったくないと考えますが、知事の考えをお示しください。

 また、「維持基準」について、ヒビの発生・進展メカニズムが明らかでなく、そのヒビが見逃される問題、短期間にたびたび改定される健全性評価の問題、超音波探傷試験のありようの問題、技術者が養成されていないなどの種々の問題があるうえ、原発の老朽化にともない、これまで顕在化していなかったり想定外の事象が発生したり、点検対象としていなかった個所でのトラブルが発生していることは、県も把握しているところです。

 維持基準以前の問題が老朽原発を酷使することで次つぎと発生するもと、県民の安全・安心確保を最優先にするならば、維持基準の導入に慎重である姿勢はくずすべきでないと考えますが、知事の考えをお示しください。
 本県には、運転から三十年を越えた原発が三基あります。むこう四年間に福島第一原発の六基全部が三十年を越えることになります。

 県のエネルギー政策検討会は、二〇〇二年九月の「中間とりまとめ」において、「廃炉を見据えた地域の将来を考える時期にある」と提起しました。原発の設置については県の事前了解を必要としながら、廃炉については県の関与が法定されていないことについて、私は、廃炉の提起を自治体から事業者もしくは国に対してすることができるしくみをつくるよう、立地県として求めるべきだと思いますが、考えをお聞かせください。

 また昨日発覚した第一原発1号機での復水器出口海水温度データ改ざんは、安全確保協定第一条に違反する重大な背信行為です。十八年に及ぶといわれるこのデータ改ざんについて県はどのような認識で、どのような対応をされるのかうかがいます。

佐藤雄平知事の知事

 原子力行政についてでありますが、私は、県民の安全・安心の確保が何よりも重要であると考えており、客観性と信頼性を高めた安全規制体制の確立と充実強化が図られることを前提として所見を述べてきたところであります。

 したがいまして、今後ともプルサーマルなど原子力政策につきましては、県民の安全・安心を確保することを基本に、これまでの経緯を踏まえ、県議会、そして関係自治体をはじめ広く県民の御意見をお聴きしながら、慎重に対応してまいりたいと考えております。

生活環境部長の答弁

 本県におけるプルサーマル計画につきましては、安全確保の大前提となる国や事業者との信頼関係が失われたことなどから白紙撤回されたものであります。

 その後におきましても、美浜発電所の配管破断事故、さらには、県内原子力発電所において、制御棒のひびや流量計における不正な補正係数の使用等の問題が発生している状況にあります。

 県といたしましては、このような状況を踏まえ、国や事業者の安全確保や信頼回復に向けた取組状況等をしっかりと確認するなど、引き続き、県民の安全・安心の確保を最優先に対応してまいる考えであります。

 次に、維持基準の導入につきましては、これまでも、国及び事業者には、安全・安心の確保を最優先にした点検・補修を行うとともに、その点検の手法や結果等を県民へ情報公開するなど十分な説明責任を果たしていくことを求めてまいりました。

 県といたしましては、国及び事業者には、引き続き、安全・安心の確保を最優先にした慎重な対応を求められていると考えております。

 次に、海水温度データの改ざんにつきましては、事業者において、平成14年の一連の不正問題発覚以降、信頼回復に向けた取り組みを実施している中、安全管理の基本である測定データの改ざんが判明したことは、県民の信頼を大きく損ねるものであり、極めて遺憾であります。

 県といたしましては、事業者に対して、データ改ざんを行った意図やその背景なども含めた今回の問題の徹底的な原因究明とともに、協力企業を含め発電所一体となった再発防止対策の取り組みの徹底を求めたところであります。

 今後は、それらの取組状況をしっかりと確認し、県民の安全・安心が確保されるよう適切に対応してまいる考えであります。

企画調整部長の答弁

 廃炉につきましては、電源地域の将来にわたる振興を図る観点から、地方自治体の意見が尊重される仕組みの構築や廃炉後における地域の自立的な発展がなされるための制度の整備について、県として、さらに、原子力発電施設等の立地道県で組織する「原子力発電関係団体協議会」としても、国に対して提言・要望を行っているところであります



再質問

 プルサーマルのことでお答えがありましたけれども、安全・安心が最優先だということはまったくその通りだと思います。知事が公開討論会の時に「○」を挙げたときの条件が、結局、安全性が確認されたならばということだったと思うんです。

 そこで知事に確認したいのは、安全性の確認という問題です。知事もたとえば原子力安全・保安院の分離については、はっきりと公約に掲げましたし、それを主張していくんだということでした。福島県も主張してきましたし、県議会も主張してきましたが、国はまったくこれを受け入れようとしない姿勢を堅持しております。

 このことも含めて、県が「中間とりまとめ」の中で国や事業者のブルトーザーが突進するような進められ方だと言っています。

 国や事業者がその安全性にお墨付きを与えれば、それで知事は安全性が確認されたというような判断をするのか。そうではなくてさらに何らかの安全性確認の担保が必要だと考えておられるのか。その担保というのはいったい何と考えられておられるのか、基本的なことをお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
 

佐藤雄平知事の答弁

 JCの問題でございますが、これは長谷部さんもお聴きになっておられると思います。あの時は、2元的な対応だったんです。だからあの時「△は?」という話をしましたが、安全性が福島県は、原子力政策、しかも浜通り、あのような状況になっており、しかもそれが日本の大きな原動力になっているということを考える中で、毎日インシデントみたいなことが起きている状況を考えてみると、なんといっても地域の安全、それから県議会のみなさんの議論の経過を踏まえて、それに対応していくというのが、当然、原理・原則でありますので、そのような対応をさせていただきたいと思っております。
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2006年9月議会(企画調整委員会 生活環境部)
長谷部淳委員

県は、県内の原発への維持基準の適用について、すべてストップさせることを前提としては考えておらず、間違いなく安全であることを評価した上で事を進めたいとの方針であるが、何がクリアされれば間違いなく安全であると評価できるのか。

原子力安全グループ参事

今年2月のひびの見落としによって、事業者が行った健全性評価が誤っていたことがわかり、維持基準の信頼性にかかわる重大な問題が明らかになった。また、全周にわたるひびが見落とされたが、全周の60°以上の長さにわたるひびについては許容しないとする現行の基準は合理的でないとして、国では、現在見直し作業を行っていると聞いている。

健全性評価制度は、発足以来、短期間のうちにたびたび改定されているが、国及び事業者に対しては、安全・安心の確保を最優先にした点検、補修等への対応や、点検手法、結果等を県民に適時適切に情報公開する等、十分な説明責任を果たすよう求めている。

長谷部淳委員

健全性評価制度がたびたび改定されることが問題なのか。

原子力安全グループ参事

制度自体に対しても、十分な説明責任が果たされなければならないと考えている。

長谷部淳委員

東京電力、原子力安全・保安院の説明でわかったのは、ひびの発生・進展のメカニズムが全く明らかになっていないことである。明らかにならない以上、何を基準に安全とするのか。メカニズムの問題については、どのような認識か。

原子力安全グループ参事

ひびのメカニズム、超音波探傷試験制度の問題については、十分に説明する必要がある。また、今回ひびの見落としも発生したことから、引き続きこうした点についても十分な説明が必要である。

長谷部淳委員

ひびのメカニズムがいまだに明らかになっていない。また、評価制度自体も完全にはよくわからない。さらに、ひびの見落としの件では、制度だけではなく、検査者の技術力の問題もある。それぞれの問題がクリアされなければ、県は維持基準について説明責任を果たしていないものと受けとめてよいか。

原子力安全グループ参事

ひびの見落としやたびたび改定される評価制度については、点検実績、制度の内容等を国及び事業者が十分に説明し、責任を果たすことが必要である。

長谷部淳委員

今年10月号の「アトムふくしま」には、福島第一原発3号機が今年3月に、運転開始から30年を経過したことから、東京電力は長期保全計画を策定し、県は立地町とともに安全確保協定に基づく立入調査を実施したとの記事が掲載された。その中で、一−3は、保守性を十分に考慮した設計になっていないと指摘されている記述があったが、具体的にはどのようなことか。

原子力安全グループ参事

第一原発は第二原発と比較して空間が狭く、保守点検しにくい箇所があるという趣旨である。

長谷部淳委員

一−3に立入調査を行った専門委員からは、新旧機器が混在することによるインターフェイスの問題が指摘されている。この点は、県の確認結果概要でも触れられているが、個々の原発の維持基準が確立されても、新旧機器が混在することによりシステム全体に問題が生じる恐れもある。維持基準との関係をどう整理するか。また、県としてどうクリアできればよいと考えるか。

原子力安全グループ参事

新旧機器のインターフェイスについては、専門委員の指摘もあったが、最近のトラブル事例も踏まえて、さらに充実強化が必要な点の1つと認識している。

再循環系ポンプの電源装置については、一−2でインバーター式に変更した際、トラブルが発生したが、設計時点で十分に考慮されなかったことが原因の1つと見られている。また、新たにハフニウム板型制御棒を導入したが、設計当初に予想できなかった腐食生成物が固着したことなどにより、ひびが発生したとされている。

これらのトラブル事例を踏まえ、新規機器導入の際には、設計管理の段階から、慎重かつ確実に取り組む必要があると認識している。


長谷部淳委員

国は、健全性評価、維持基準の問題として、現時点ではインターフェイス、新旧機器のマッチングについては触れていないのか。

原子力安全グループ参事

例えば、国ではトラブルを踏まえ、ハフニウム板型制御棒の技術基準を充実させる動きがあると聞いている。

長谷部淳委員

一−3の高経年化対策に関する県の文書に、「現時点で想定外の事象が、今後発生することも考慮しなければならない。」、「補修記録が保存されていないものもある。」、「これまで顕在化していなかった事象、新たな事象等が発生することも十分想定される。」、「点検対象としていなかった箇所でのトラブルが発生しているのもある。」という記述がある。これらは、維持基準導入以前の問題であり、認識しているにもかかわらず、維持基準の説明責任を果たせればよいとする意識では、不十分ではないのか。維持基準との関係について、県はどのように考えているか。

原子力安全グループ参事

一−3では、これまで未点検の場所で不適合事象が発生したことも踏まえた対策の充実を求めた。
高経年化した重要機器については、適切に対処していくことは当然であり、機器の技術基準については、国が責任を持って検討・評価し、法令、規則等で定めるべきものと考えている。

長谷部淳委員

維持基準については、個々の機器の健全性評価が十分なだけでは足りないと認識している。
1つの原発の中に新旧機器が混在し、インターフェイス、マッチング等の問題が生じているならば、影響の可能性があるシステム全体を維持するための対策も講じなければならない。また、ひびの進展のメカニズムは解明されていないが、機器の検査精度を高める必要がある。さらに、精度が高まったとしても、機器を取り扱う者には、さらに専門性を求めなければならない。

原発が老朽化する中にあっては、総体的に考え、すべての問題をクリアする必要がある。国及び事業者には、安全・安心が担保できる説明責任を求めなければならないと思うが、改めて県の考えを聞く。

県民安全領域総括参事

インターフェイスの問題と維持基準の問題には、広い意味では共通点があるかもしれないが、別々の問題であると認識している。インターフェイスの件は、マッチングの障害であることから、導入前に実証試験を行い、全体の機器に及ぼす影響も十分に確認しながら運用するよう指導している。

原子力発電施設でトラブルが起こり得るのは維持基準に限った問題だけではない。原発は次々に高経年化していくので、いかに維持、補修していくかである。国、東電に対しトータルな視点で、安全性を確保するよう求めていく。


長谷部淳委員

反原発の立場で議論しているのではない。共生が必要であるが、現時点では技術が未成熟なため、問題が多い。老朽化施設を酷使することによって、共生を強制されることがあってはならない。安全・安心の確保が最優先であり、監視を続ける。

維持基準を含め、総合的な安全・安心対策を要望する。
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2006年6月議会(6月30日 企画調整委員会 生活環境部)
長谷部淳委員

 平成18年3月24日に金沢地裁で、志賀原発について判決があった。判決では、耐震設計指針自体の不備を指摘し、原発を運転すれば、地域住民が、許容限度を超える放射線被ばくをする具体的危険があるとし、さらに700km離れた熊本県に居住する住民にも原告適格性を認めた。北陸電力は控訴する方向だが、福島原発も同じ耐震設計指針に基づきつくられていることから、関心を寄せた判決であると思う。原発立地県として、この判決をどう受けとめたか。

原子力安全グループ参事

 金沢地裁の判決では、大きく3点が指摘されている。1)直下地震の想定がマグニチュード(M)6.5であり小規模ではないか 2)原子力発電所近くの邑知潟断層帯の長期評価が考慮されていないのではないか 3)発電所敷地での地震動を想定する手法に妥当性がないのではないか−という点。地裁判決ではあるが、原子力発電所の耐震安全性について問題提起されたものと受けとめている。

 国の原子力安全委員会では、昭和53年に策定し、56年に改定した耐震設計指針について、4月28日に耐震指針検討分科会で新指針の原案を取りまとめ、間もなく最終的な取りまとめをする状況にある。新指針では、例えば活断層の評価については、考慮すべき活断層を、これまでの「5万年前以降に活動した断層など」から「12〜13万年前以降の活動が否定できないもの」に拡大する。

 また、未知の直下地震として想定しているM6.5は、最新の知見をもとに、各プラントごとに設定すべきと改められる。
 こうした見直しの方向を踏まえ、今後新指針に沿って各原発で再評価が行われる。

長谷部淳委員

 主に国と事業者の責任で対応することだと思うが、本県には活断層である双葉断層があり、新地町〜いわき市の約70kmにわたると言われている。この断層について、「双葉断層に関する調査研究成果報告書」では、北部の18km程度だけが起震断層に想定され、南部については起震断層として考慮する必要はないと述べられているが、この断層について、県の評価と見解を聞きたい。

原子力安全グループ参事

 双葉断層の評価に関して、事業者は、地震の規模をM6.9程度として当初の評価を行ったと聞いている。本県では平成8〜10年に評価したが、その結果ではM7.0、昨年4月の地震調査研究推進本部の評価ではM6.8〜7.5であった。事業者からは、昨年4月の地震調査研究推進本部において新たな知見が示されたことを受け、再評価したと聞いている。


長谷部淳委員

 質問の趣旨は、南相馬市原町区大谷以南の双葉断層では、近い将来活動をするおそれがなく、起震断層として考慮する必要はないと判断されたことに関してである。

原子力安全グループ参事

 南相馬市原町区大谷以南については、本県の平成8〜10年の評価でも、地震調査研究推進本部の評価でも、後期更新世以降の段丘面に変位は認められないとの結論である。

長谷部淳委員

 金沢地裁の判決でも触れられたが、石川県は、他の都道府県と比較しても地震の回数が少ない地域であり、原子炉敷地から100km以内でM7.0を超える地震の記録があったのは1858年だけである。
 本県には、福島第一、第二原発があるが、原子炉敷地から100km以内でM7.0を超える地震は、過去に何回発生したのか。

原子力安全グループ参事

 手元に具体的な資料がない。
 なお、事業者からは、昭和13年に発生した福島県東方沖地震のようにM7.0を超えた過去の地震も考慮し、耐震安全性を評価していると聞いている。

長谷部淳委員

 双葉断層の南相馬市原町区大谷以南では、数万〜10万年前以降の断層活動がないことを示す地形地質データが得られ、大熊町山神地点では、少なくとも約8万年前より新しい活動がないことを裏づけとして、県は起震断層として考慮する必要はないと結論づけている。
 しかし、原子力安全委員会では、12〜13万年前以降の活動が否定できないものまで拡大することから、東京電力がその確認作業に着手したとの理解でよいのか。

県民安全領域総括参事

 そのとおりである。

長谷部淳委員
 志賀原発では、これまでの耐震設計指針に基づき、設計用最強地震や設計用限界地震を念頭にS1、S2の数値を設定し、その数値をクリアした上で建設したと考えるが、志賀原発のS1、S2と福島原発のS1、S2の数値的な関係を聞きたい。

原子力安全グループ参事
 県内の原発では、S1が180ガル、S2が370ガルである。志賀原発の設定値は承知していないが、直下型地震M6.5をS2と想定しているならば、同程度と思う。
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2006年02月議会 一般質問
次に原子力行政についてうかがいます。

 政府は昨年一〇月、本県の意見を一顧だにせずプルサーマル推進を明記した原子力政策大綱を決定し、今年の一月六日、電力各社がプルトニウム利用計画という名のプルサーマル計画を公表しました。

 この計画で使われようとする原子炉の数は、ただの一基でも実現していない九七年の計画と同じであり、従来計画の引き写しにすぎません。

 知事は、九七年計画への事前了解を白紙撤回し、今回の計画が明らかにされた際にも、「県内の原発での実施はありえない」とするコメントを発表しました。その姿勢を私は高く評価するものです。

 私たちがプルサーマルを問題にするのは、MOX燃料を使う原子炉の安全性への疑問、核燃料サイクルのうえでの技術的困難に対する疑問になんら答えない計画だからにほかなりません。

 原子炉の問題でいえば、制御棒の利きが悪くなる問題への対応が不明確であるうえ、原子炉に異常が生じた際にどうなるのかの検討もないまま、試験的な運転をいきなり商業用原子炉で行なおうとする計画であります。

 核燃料サイクル上の問題でも、MOX燃料を使うことで放射線の防護が困難になること、同じく核分裂をしない始末に終えないプルトニウムがどんどん蓄積されること、さらには高レベル放射性廃棄物中に数万年・数十万年という極端に寿命の長い放射性元素が増加するのに、その処分方法すら決まっていません。

 したがって、老朽化が進むばかりの原発において、プルサーマルは、原発の現状の危険と問題をいっそう増大させるものであり、県内原発での実施はありえないものです。

 さて、二〇〇二年に発覚した東電のトラブル隠しの九年も前の一九九三年、第一原発6号機で、交換した原子炉給水流量計の精度試験数値が改ざんされていたことが今年の一月三一日に明らかになりました。県が指摘するように、「システムとしてコントロールできる体制づくり」を国と事業者に求めることは当然です。

 東芝は福島第一、第二にある計10基のうち6基の建設にかかわっていると聞いています。コントロールできるシステムがないまま、一三年前の改ざんが明らかになったわけですから、その前後に同様の事態がなかった保障がないことは、第一原発6号機以外の流量計では不正はない、としていた東芝が、実は東電柏崎刈羽原発7号機でも同様の不正があった可能性が高い、と発表したことや、なによりも長年にわたった東電の不正隠ぺい事件でも明らかなことです。県は、この事案の背景に関してどのような認識をおもちかお聞かせください。あわせて、東芝がかかわった県内原発に関し、県を含めた第三者による総点検をすべきだと思いますが、考えをお示しください。

 また、先月七日の東電の発表によれば、第二原発3号機の原子炉再循環系配管の継ぎ手で昨年五月、深さ五・八ミリ、長さ約一七ミリのひびが見つかったとされる部分を切り出して調べたところ、ひびの深さは実は七・八ミリで、ほかにも深さ五・四ミリのひびが入っていることを発見した、とのことでした。

 もともとこのひびは、「維持基準」に照らして「五年以上運転を続けても問題ない」とされ、念のため交換して調べたらわかったというものです。

 知事は、二月一六日の会見で、「応力腐食割れに関する客観的な見解がまとまっていない中で、溶接だと判断したらひびだった。現実はこれが技術のレベル」と述べていますが、まったくそのとおりだと思います。原発の老朽化がいかに想定外の事態を生み出し、同時に、「維持基準」のでたらめさ、超音波探傷試験能力の認証制度の危うさを露呈したものというほかにありません。

 制御棒のひび割れ、冷却水の水漏れなどハード面のトラブルがあいかわらず発生し続け、なおかつ、技術未確立な検査を導入しようとしたり、納入期限に間に合わせようとするためにデータを改ざんすることも、シュラウド交換など多額の費用をかけて大規模改修を行ない、なるべく長く使おうとすることからくるものであって、すべてが原発老朽化に関係するものではないでしょうか。ハード面でもソフト面でも、不安定要因をどんどんと蓄積させているのがいまではないでしょうか。日本原子力研究所の研究員を長年勤めた研究者が、「この原発だけは『廃炉』を」と提言する福島第一原発1号機から5号機は、県としてはっきりと廃炉の検討を求めるべきではないでしょうか。見解をお聞かせください。
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生活環境部長の答弁

 東芝による不正事案の背景につきましては、県といたしましては、現在、立地自治体が知り得ない技術的な事業者内部の問題に関して、国及び事業者が、立地自治体に代わって、立地地域住民を始め県民の思いを受け止め、システムとしてしっかりとコントロールできる体制の構築を、根本的に考えるよう求めているところであります。

 今後とも、県民の安全・安心を最優先に対応してまいる考えであります。

 次に、東芝がかかわった原子力発電所に係る第三者による総点検につきましては、法令等に基づき、原子力発電所の設置・運転等に係る安全規制について一元的に管理している国が責任を持って対応すべきものと考えております。

 次に、福島第1原子力発電所に係る廃炉の検討につきましては、原子力発電所の安全確保については、法令等に基づき安全規制を一元的に管理している国が、責任を持って対応することが何より重要と考えております。

 県といたしましては、原子力発電所の高経年化対策について、立地自治体の立場から立入調査を実施するなど、引き続き、県民の安全・安心の一体的確保を基本に、国及び事業者の安全確保に係る取り組みを、厳しい目線で見てまいる考えであります。
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再質問

 生活環境部長にお伺いします。県議会が始まる前にエネルギー政策議員協議会があり、その中で廃炉の問題のやりとりがありました。私は傍聴者でしたけれども。そのときに国は、廃炉は事業者が言うことであって、原子力安全保安院は廃炉に関して関知しないというようなお話をされていました。福島原発というのは、沸騰水型の軽水炉だが、もともと完成度の低い状態でアメリカから日本に移入をされたという経過があるわけです。

 アメリカでは次々とこの沸騰水型の大型化を進めてきたという経過があって、1960年に20万kW以下の運転開始が始まったと思いきや、1963年には50万kW、65年には60万kW・80万kW級の原発発注がされた。まさに運転経験も積まずに次の大型化したのがアメリカでの沸騰水型の軽水炉のいきさつだったわけです。

 福島第1原発の1号機が1965年の設計。2号機から5号機までが66〜67年の設計となっていて、まさに第一世代に属し、使い古しというだけでなく、タイプや材料が古い、設備利用率が低い、沸騰水型原発の世代論から見ても、県が率直に廃炉を提起したらいいんじゃないかと思いますのであらためて見解をお示しいただければと思います。
生活環境部長

 福島第1の廃炉の検討につきましてですが、先ほど申し上げましたとおりですね、法令等に基づき安全規制を一元的に管理している国、設置許可をやっている国ですね。それが責任を持って対応すべきと考えてございます。
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2006年2月議会(3月9日 企画調整委員会 生活環境部)
長谷部淳委員

 原発の制御棒のひびについて東京電力で調査をしたと思うが、何本調査して何本ひびが入っていて何本取りかえて、まだ調査できていないものが何本あるといったてんまつについて、県が把握しているところを聞きたい。

原子力安全グループ参事

 福島第一原子力発電所6号機において制御棒にひびが発見されたことから、現在、各プラントの状況を確認している。


 運転中のものについては、制御棒の動作確認をするとされており、動作確認は終了している。その中で福島第一6号機において、4.4×1021ニュートロン/平方cmというレベルでひびが発見されたことを受けて、4.0を超える中性子照射量を受けているものについては、全挿入数ということで、運転中のものについてはそういった取り扱いが既にされている。

 停止中のものについては、今使用している制御棒の点検を行っている。運転中のものについては、制御棒の動作確認をしているとともに、今使用済み燃料プールに置かれている制御棒の点検をしているところで、これまで点検が済んでいるものについて説明すると、福島第一3号機が対象となる制御棒が18本あり、18本の点検を終了し、うち5本にひびがあった。福島第一4号機は対象となる制御棒が4本あり、4本点検を終了し、ひびはなかった。福島第一6号機は最初に見つかったところであるが、17本の制御棒のうち9本にひびがあった。

 福島第二原子力発電所については、2号機について対象となる制御棒が13本あり、13本点検を終了し、ひびはなかった。現在のところ停止したプラントの14本にひびが発見されている。一方で、使用済みの制御棒については、福島第一5号機で13本保管しており、13本点検して、うち8本にひびがあった。現在の点検状況は以上である。


長谷部淳委員

 制御棒については、寿命や交換義務はあるのか。

原子力安全グループ参事

 東京電力においては、これまで6.0×1021ニュートロン/平方cmを取りかえの目安としており、おおむね4〜5サイクル、このハフニウム板型制御棒は使用してきた。ところが今回4.4でひびが見つかったということで、今後そのあたりの取り扱いが国も含めて検討されるということである。

長谷部淳委員


 一般質問で福島第一原発1〜5号機の廃炉を求めてはどうかという提案に対して、一元的な管理をしている国の責任だとの答弁だったが、それはそうだと理解している。私は求めたらどうかと聞いたので、あの答弁は求めても決めるのは国だからという意味だと理解してよいか。

県民安全領域総括参事

 部長の再質問で話したとおり許認可権を持っている国が最終的に決めるべき問題だと思っている。
 ただ中間報告の中で、原子力の設置については、県の事前了解が必要だという手続があるにもかかわらず、廃炉については今のところそういった手続はないという疑問は持っている。

長谷部淳委員

 1年前に第33回のエネルギー政策検討会があって、マイケルシュナイダーさんを呼んで話を聞いているが、その中で、世界では百数基廃炉になった原発が平均寿命が20.7年だということで検討委員とのやりとりがあり、その後2カ月後の記者会見で佐藤知事もそのことについて触れていたような話もあった。

 世界の原子炉の寿命であるとか、福島第一1〜5号機は60年代の最初から半ばにかけての設計に基づいた原発で、設備利用率も非常に低く、事故の頻度も高いという中で、敦賀第一原発は60年代の前半の設計で2010年に廃炉が決まっている。

 そういうことを考えたときに、世界の専門家も呼ばれて世界の実情なども知見として学んでいるので、廃炉の時期についてはそういった認識も持っているのではないかと思うが、率直に聞きたい。

県民安全領域総括参事

 世界の趨勢の中で百数基という話については、私も詳しくは知らないが、多分それは炉型がそれぞれ違うものもあり、そういう意味では、福島県にある原発とはまた1つ違う観点があるのではないかと思うが、いずれにしても県としては、県民の安全を第一義に考えて高経年化対策にもしっかりと取り組んでいきたい。
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2005年02月議会一般質問
次に、原発震災を避けるための本県の作業にかかわって伺います。

 昨年十月には、日本の地震史上、阪神・淡路大震災に続く二度目の震度七を記録した新潟県中越地震がありました。強烈な余震が続いたことも特徴でした。年末の十二月二十六日には、この百年間に全世界で発生した地震の中で四番目に大きかったスマトラ島西方沖の大地震がありました。この地震で生じた揺れの大きさは、 スマトラ島北端の都市バンダ・アチェが最大で、日本でいう震度五程度だったものの、津波は想像を絶する被害をもたらしました。現地の人々の証言では、海岸付近で波の高さが十メートルにも達した場所があると言われています。

 原発立地地域で仮にこうした大地震や大津波があったときに、原発が大事故を起こして大量の放射性物質を外部にまき散らすことで、地震災害と大規 模放射能災害とが増幅し合う人類未体験の破局的災害は何としても避けなければなりません。

 国や東電は、原発が発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針によって対震安全性が保証されているので、地震による事故は起こらないとしています。この指針は一九七八年に定められました。福島原発の場合、 第一原発のすべての号機と、第二原発一号機、二号機は、この指針以前に設置許可を受けています。これら指針策定以前の設置許可原発八基について、どのような科学的、客観的根拠で耐震安全性が確保されていると知事は認識しているか伺います。

 また、東電によれば、予想される最大の地震にも耐える設計だから安全だとの説明ですが、具体的に、直下型の地震規模、震度や津波の数値はどのように想定されているのか伺います。

 さらに、続発する大余震の影響、原発自体の老朽化の影響、津波が運ぶ砂によって海水の取水、排水ができなくなることによる影響は想定されているのか伺います。

 なお、指針においては、過去の地震や地質調査により、敷地の下に活断層がないことを確認し、その条件のもとで考えられる最大の地震を想定することが、原発の耐震設計の必要十分条件のようにされています。果たしてそうでしょうか。

 例えば、活断層が認められないところでもマグニチュード七クラスの地震が起こることは広く知られています。
 また、一九九三年、震源の深さが百十キロメートルの釧路沖地震は、北海道が乗っている北米プレートに潜り込む太平洋プレートが、地中に垂れ下がっている内部で起きた地震とされています。北米プレート上には本県を含めた東北六県や関東地方も乗っており、福島原発だけでなく、女川、東海第二の各原発、六ヶ所村、 東海村の核燃料施設にとって深刻な問題と指摘されているところです。

 指針自体、三十年近く経過していますが、想定される地震がこのようにすっぽりと抜け落ちており、したがって、原発の耐震性は不十分だと地震学者から指摘されていることについて、原発立地県としてどのように受けとめられますか。また、この間、指針の見直しに原発立地県として、どんな働きかけを行ってきたのか、 また今後どう働きかけるのでしょうか。以上、お聞かせください。
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生活環境部長の答弁

 原子力発電所の耐震安全性につきましては、法令等に基づき、安全規制に責任を有している国が、平成七年九月に公表した指針策定前の原子力発電所の耐震安全性において、指針策定前に許可を受けた原子力発電所は、現行の指針の考え方に照らしても耐震安全性が確保されているとされております。

 次に、原子力発電所の設計につきましては、事業者による立地調査等において、直下型地震を起こす活断層はないとされているところでありますが、設計上、直下型地震の数値として、震度ではなく、マグニチュードで六・五を想定していると聞いております。

 また、津波については、平均海面に対して福島第一原子力発電所では、最高水位がプラス五・四から五・七メートル、最低水位がマイナス三・六から三・五メートル、福島第二原子力発電所では、最高水位がプラス五・一から五・二メートル、最低水位がマイナス三・〇から二・九メートルと想定していると聞いております。

 次に、東京電力の原子力発電所における大余震、老朽化及び津波の運ぶ砂による海水の取水、排水への影響につきましては、設計段階や新たな知見が 得られた際に、検討が行われていると聞いております。

 次に、原子力発電所の耐震性につきましては、専門家の間でさまざまな議論がなされていることは、安全確保の上からも重要であると考えております。

 県といたしましては、従来から、原子力発電関係団体協議会を通じ、国に対して審査指針等に最新の知見や技術を反映させるなど対震安全性に対する信頼性の向上や新たな知見が得られた場合等における審査指針に照らしての検証、さらに必要であれば、既設の原子力発電所の対震安全性の評価に反映することなどを求めているところであり、今後とも働きかけてまいる考えであります。
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2004年12月議会一般質問
 最後に、原発問題です。再稼働を容認した号機が起動中のトラブルで停止したり、異物の発見、油漏れ、水漏れなどが続いたりと、不正事件後のハード、ソフト両面のトラブルは相変わらず後を断ちません。県民の安全・安心の確保の面から、原発そのものと、事業者の体質との両面の老朽化は目を覆うばかりと指摘せざるを得ません。

 そんな中今度は、原発建設工事で使われたコンクリートのアルカリ骨材反応をめぐるデータ改ざんが明るみに出ました。セメントの中のアルカリ量が一定量を超えると膨張し、建造物を破壊するおそれがあります。原発推進機関のもとにある原子力安全・保安院によれば、壁を外から調べたり、ハンマーでたたいたりしたところ安全性に問題はないということです。これで県民が安心するでしょうか。原発本体と配管その他のトラブルと直結する基礎や建屋のコンクリートについて、県の責任で徹底検査をすべきだと思いますが、この件が明るみに出て以降の県の対応と考えをお聞かせください。

 また、運転開始から二十八年の美浜原発三号機事故は、老朽化した原発を酷使した結果と言わなければなりません。福島第一原発は第一世代に属し、一号機から五号機のうち四基はシュラウドの交換という大改造を施しています。事業者からすれば、巨額の費用をかけた以上、高経年化対策の名のもと、長く運転しようと無理しがちなのは当然であります。

 先日、原子炉を停止をさせた第一原発二号機、四号機の水漏れも、老朽化原発を酷使し続ける結果なのではないでしょうか。不安定要因を増すばかりの高経年化対策はやめ、一号機から五号機までについては廃炉を求めるべきだと思いますが、県の考えをお聞きをいたしまして私の質問を終わります。
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生活環境部長の答弁

 県内原子力発電所建設におけるコンクリート用骨材のアルカリ骨材反応性試験に係る問題につきましては、十月二十二日に事業者より調査結果の報告を受けたところであります。また、十一月十一日及び十二日には国が現地調査を行ったと聞いております。

 原子力発電所の設置・運転等に係る安全規制については、法令に基づき国が一元的に管理していることから、この問題についても、国及び事業者が責任を持って徹底した調査を行うなど、適切に対応すべきものと考えております。

 現在、国及び事業者においてさらに調査が行われていることから、その結果が明らかとなった段階において、立地自治体の立場として確認を行うなど、県民の安全・安心を最優先に対応してまいる考えであります。

 次に、原子力発電所の高経年化につきましては、エネルギー政策検討会において県独自の検討を重ね、中間とりまとめの中で、安全規制に係る新たな許認可制度の創設など高経年化対策全般について、抜本的な見直しを図る必 要がある旨の意見をまとめ、国、事業者等に対し問題提起を行っているところであり、さらに、原子力施設立地道県で構成する原子力発電関係団体協議会を通じ、国にその実現を強く要望しております。
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2004年06月議会一般質問
次に、エネルギー政策にかかわり、原発での使用済み核燃料のあり方について県の考えを伺います。

 今月二日、東京電力福島第二原発から四十六トン、二百六十六体の使用済み核燃料が青森県六ヶ所村へ運び出されました。これは、政府がとっている使用済み核燃料の全量再処理を前提とした政策に基づくものです。すなわち、核燃料サイクルを前提としたものです。

 しかし、イギリスの再処理工場から流された放射性物質により、アイルランドとの間にあるアイリッシュ海は世界一放射能で汚れてしまっており、アイルランド国会・政府がたびたび再処理工場停止を求めたり、また先日の県エネルギー政策検討会で、スティーブ・フェッター氏は「再処理が経済性を持つことは一世紀内にはない」と決定的な疑問を投げかけたり、また自民党の国会議員からも再処理は中止すべきとの強い意見も出されたりなど、技術的、経済的、政治的に再処理の実現はほとんどあり得ないと言っていいと思います。世界的にも再処理は放棄される流れにあります。

 しかも日本は高レベル放射性廃棄物の最終処分場の展望もなく、中間貯蔵施設は、実は原発の運転をとめないための隠れみのであって、事実上の最終処分場になる可能性が高いのであります。他県民の子々孫々に対して何万年にもわたって管理しなければならない施設を押しつけてよいものでしょうか。原発立地県が、国の責任だと言って済まされるでしょうか。

 私は、原発敷地内の使用済み核燃料プールに安全かつ厳重に管理し、プールがいっぱいになったら原発の運転をとめるという選択肢を今持つことが、核燃料サイクルに関して一たん立ちどまって考えることを提言する県の立場から妥当と思いますが、知事の考えをお示しください。核燃料を運び込んでもらい、燃料として核反応させ、使ったら運び出してもらうという、人ごとのような立場は、今や通用しないと思います。
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企画調整部長の答弁

 使用済み核燃料につきましては、本来、原子力発電所は、使用済み核燃料を貯蔵する施設ではなく、当然発電所から搬出されるべきであり、その対策については、国と事業者の責任において行われるべきものと考えております。
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2003年12月議会一般質問
次に、 原発問題です。

 異物混入は、 およそ一般常識では考えられません。 昨年発覚した一連の事故・トラブル隠し、 不正事件以後だけ見ても、 東電は県に対して何度謝罪し、 何度再発防止策を説明したのでしょうか。 原子力という、 石炭や石油とはけた違いの莫大なエネルギー源を扱うために、 危険を前提とした徹底した安全管理が事業所全体に行き渡っていることが、 県民の安心・安全な暮らしの最低限の前提であることは言うまでもありません。 この最低限の前提が、 東電にはないことが明らかになったのです。

 それは、 東電の説明でも、 この異物混入は一九九八年以降であり、 新潟も含めて千件を超えているにもかかわらず、 東電自身が初めて知り、 作業者から申告は一件もなかったことが証明をしています。 原子力を扱う事業者として、 失格と言っても過言ではないと思います。

 運転中の原発の圧力抑制室にも、 異物混入が十分予想されるのですから、 東電に対し、 直ちに停止して調査させることが必要だと考えますが、 県はどのように対応されたのか伺います。

 県議会も知事も、 昨年来、 東電の企業体質を問題にし、 その抜本的改善を東電に求めてきました。 今回の事件は、 この体質改善問題を一層深刻な形で浮き彫りにするとともに、 社長個人の時々の言明では、 企業体質改善の根拠には全くならないことがはっきりとしました。 すなわち、 知事が原発再稼働を了とされた根拠が覆されたのであります。 その認識を、 知事はお持ちなのか伺います。

 そして、 今後、 何をもって東電の企業体質改善の根拠とされるおつもりかお聞かせください。

 加えて、 今後の東電からの再稼働要請にどう対処されるおつもりかお聞かせください。
 また、 東電は先月十日、 軽微なものを含めて、 トラブルはすべて公表すると発表しました。 何を今さらといった感は否めませんが、 しかし今回の異物落下の申告は現場からなかったのであります。 申告のないものは、 公表のしようがありません。 下請・協力企業を含めて、 軽微な事故情報を共有することで、 事故を未然に防ぐためのインシデント報告制度を確立させることの重要性が、 今回ほど如実に示されたことはないと思います。

 私は、 改めて原発事業者の責任を明確にしたインシデント報告制度を法律で定めるように国に働きかけるべきだと考えますが、 県の考えをお聞かせください。

 同時に、 法制度がなくとも、 県は東電に対し、 システムとしてのインシデント報告制度を事業者として整備確立するよう強く求めることが、 原発立地県としての県民の安心・安全の要望にこたえる責務と考えますが、 あわせて県の考えをお聞かせください。
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生活環境部長の答弁

 圧力抑制室の異物問題につきましては、 これまでの作業管理など、 基本的な品質保証活動が十分でなかったと言わざるを得ず、 県といたしましては、 徹底した異物の回収と原因究明を行うとともに、 再発防止に万全を期すよう、 事業者に対して改めて要請しているところであります。

 次に、 原子力発電所の再稼働につきましては、 安全・安心に関する国、 事業者のさらなる取り組みがなされることを前提に判断したものであり、 事業者においては、 一連の不正問題に係る再発防止対策の実績を、 県民に一つ一つ具体的に結果として示していく必要があると考えております。

 次に、 事業者の企業体質の改善等につきましては、 情報公開の徹底と常に緊張感を持った対応、 協力企業も含めた企業システム全体の見直し等の不正問題に係る再発防止対策を着実に積み重ねていくことが何よりも重要であると考えております。

 県といたしましては、 今後とも、 県民の安全・安心の確保を最優先に、 その取り組みを厳しい目線で評価、 判断してまいる考えであります。

 次に、 インシデント報告制度に係る国への働きかけにつきましては、 原子力発電所における軽微な事象についてもランクづけするなど、 住民にわかりやすい形での情報公開を徹底するとともに、 原因の究明、 再発防止対策に積極的に関与する体制を整備するよう、 原子力発電関係団体協議会において、 国に対し要望活動を行っているところであります。

 次に、 インシデント報告制度の整備、 確立につきましては、 これまでも事業者に対して情報公開の必要性、 重要性を再三指摘してきたところであり、 先般事業者においては、 すべての不適合事象について速やかに公表するとの考え方に基づき、 新たな公表基準を定め、 その運用を開始したところであります。

 県といたしましては、 事業者自身が情報公開と透明性確保に関する取り組みを確実に継続していくことが重要であると考えております。
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2003年09月議会一般質問
原発にかかわって伺います。

 昨年九月議会での意見書を初め知事が表明してこられたさまざまな意見に照らし、 再稼働を容認してきたことに私は納得できるものではありません。

 原発で使うウラン235を一グラム核分裂させて得られるエネルギーは、 石油一グラムを燃焼させて得られるエネルギーの二百万倍であります。 この巨大な差が、 火力発電と原子力発電の違いの根源にあります。 そして、 原子力発電をコントロールしようとする材料や技術は、 化学の世界の材料や技術です。

 八月四日、 県の第一原発立入調査に同行した専門委員が 「航空機、 巨大化学プラントや自動車産業など一般的な機器、 設備で要求されるものよりはるかに高いレベルでの安全性が求められる」 と意見を述べていますが、 まさにそれゆえです。

 問題は、 安全確認よりも企業利益優先で、 国民をだまし続けた東電の体質が、 下請企業を含めて変わったのか、 この点を県民がどう確認できるかということです。 つい一月前の報道によれば、 東電が社員、 協力企業に行ったアンケート結果の集約は 「自分自身で思っているほどは組織の変化が十分に見えてこない」 というものです。 また、 八月下旬に通信社が行った地元住民アンケートでは、 東電、 国に対する不信、 不安は変わらないとする回答が過半数でした。 知事は東電社長個人の真摯な姿勢を唯一のよりどころに運転再開を了としたようですが、 知事自身が問題としてきた企業体質の改善、 安全・安心を強く求める県民の気持ちとは乖離しているのではないですか。 九月十六日には、 知事が第二原発を視察した際、 その四日前の一号機操作ミスは報告されませんでした。 これらに関する知事の所見、 そして東電に対する今後の知事の姿勢を改めてお聞かせください。

 また私は、 県が事業者に対し、 軽微な事故、 つまりインシデント情報を関係者全員が共有し、 事故の未然防止に関係者全員の関心、 注意を結集するインシデント報告制度の整備、 確立を求め、 その取り組み状況を県が定期的に受け、 県民へ知らせるシステムが必要だと考えます。 県のお考えを伺います。

 さらに、 国は、 県議会も知事もその導入に異議を唱える維持基準を強行しようとしています。 そもそも亀裂が入る原因、 亀裂進展のメカニズムがわからず、 その検査技術について保安院長が五月の国会で 「どういう技術開発をこれから本格的に進めるべきか、 これから議論をしていく」、 そういう段階です。 まさに霧の中というほかありません。 維持基準導入の中止を求めるべきと考えますが、 県の考えをお聞かせください。
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佐藤栄佐久知事の答弁

 県内の原子力発電所の中で唯一、 国の定期安全レビューの評価が撤回されなかった福島第一原子力発電所六号機の運転再開要請につきましては、 中間停止して行われた原子炉格納容器漏えい検査において問題がなかったことから、 県議会及び地元町村の御意見や、 県民の意見を聴く会における意見などを整理、 検討するとともに、 東京電力社長から今後の取り組みについての姿勢を伺い、 安全・安心に関する国、 事業者のさらなる取り組みがなされることを前提に判断したものであります。

 その後も、 事業者に対して、 情報公開の徹底と常に緊張感を持った対応、 協力企業も含めた企業システム全体の見直しなどを重ねて要請してきたところであり、 事業者においては、 一連の不正問題に係る再発防止対策の実績を県民に一つ一つ具体的に結果として示していく必要があると考えております。

 県といたしましては、 今後とも県民の安全・安心の確保を最優先として、 その取り組みを厳しい目線で評価、 判断してまいる考えであります。
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生活環境部長の答弁

 福島第二原子力発電所一号機の操作ミスが報告されなかった件につきましては、 「まずは第一報」 という情報公開の重要性が事業者内部に十分浸透していなかったことを示したものと受けとめており、 事業者においては、 信頼回復の重要な柱である情報公開と透明性確保に関する取り組みを着実に積み重ねていくことが重要であると考えております。

 県といたしましては、 今後とも県民の安全・安心の確保を最優先として、 その取り組みを厳しい目線で評価、 判断してまいる考えであります。

 次に、 原子力発電所に関する情報の取り扱いにつきましては、 安全確保協定に基づき、 県が事業者から受けた発電所に係る定期検査の状況、 保守運転状況、 工事計画の概要、 使用済み燃料の保管状況などすべての情報を毎月、 県のホームページにおいてきめ細かく公開しているところであります。

 県といたしましては、 今後とも事業者に対して情報公開の徹底を求めるとともに、 県民への適切な情報提供に努めてまいる考えであります。

 次に、 維持基準の導入につきましては、 現時点においても、 その前提となる応力腐食割れの発生・進展メカニズムや超音波探傷試験の精度の問題等が指摘されている状況にあり、 また先般安全規制の制度改正に関し、 地元協議会で国から説明が行われた際にも、 「なぜこのような時期に施行されるのか」、 「維持基準がまだ理解できない」、 「導入には住民の違和感、 抵抗感がある」 等の意見が示されている状況にあります。

 このため、 県といたしましては、 従来から表明しているように、 国は時間をかけて慎重に検討を行い、 十分な説明責任を果たしていくべきであると考えております。
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再質問

 原発の再開にかかわって知事にお伺いをいたしますが、 私が聞いたのは、 東電の体質改善を前提とした県民の安全・安心を求める、 そういった県民の要望と乖離をしていたのではないかというところを聞きたかったわけです。 先日知事が第二原発を視察した際に、 一号機のミスについては社長にも知らされず、 情報公開の透明性確保の取り組みがその程度の認識であったのかとこの議場でおっしゃいましたが、 まさにその程度の体質なんだというふうに思います。

 先日の議会テレビのアンケートがありましたが、 ここでも原発への信頼は回復していないという回答が過半数でした。 知事が一の六の再開を了と判断をされたのは、 その判断が県民の安全・安心を強く求める感情と乖離していることを承知で、 東電をおもんぱかって判断をされたのか、 その判断が県民感情とは乖離していないという判断なのかお聞きをいたします。

 やはり行政のトップの判断というのは、 その判断が県民に重くのしかかりますので、 判断するに当たってその取り巻く状況をどう認識されたかというのは、 非常に大事だと思いますので、 お伺いをいたします。

 それと、 インシデント報告について触れましたけれども、 やはり東電に、 事業者にお任せするというようなふうにとれるんですけれども、 やはりその東電任せでは県民は安心できない。 何せ県民に信頼されていない企業にお任せするのでは大変ぐあいが悪い。 やはり、 そうした企業を立地している県として、 その体質を抜本的に変えさせるということから、 事業者との間で緊張感をもっと、 関係という関係にとどめないで、 システムとして東電にそういったインシデント報告制度を社内できちっとつくる、 その報告を県が受けるというようなシステムをつくることについて、 少なくとも東電と協議をするなり、 その方向を探るということが必要なのではないかというふうに思いますので、 改めてお伺いをしたいと思います。
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佐藤栄佐久知事の答弁

 先ほども申し上げました、 県議会の皆様方からは六月の九日、 それから双葉地方町村会から五月の二十三日、 そして私ども七月三日に県民の意見を聴く会を開催をいたしました。 私ども、 平成八年から国の、 あるいは原子力の体制、 体質については問題がありと、 しかし、 この体質、 体制を変えて新しい第二期の原子力の体制でやってくれということを、 平成八年に総理大臣に申し上げたわけでございます。

 その後の経緯の中で、 どうも私ども申し上げたにもかかわらず、 問題がいろいろ提起されてきましたので、 二年前の二月に凍結をいたしました。 検討を進めてきたわけでございます。

 そういう中でのこの不正問題でございました。 ただ先ほども答弁で申し上げましたように、 この一の六号機については、 これはそういう体制、 体質の中でございますので、 信頼できるかできないかという問題も大きくあるわけでございますが、 国の定期安全レビューの評価、 これは十基のうち九基撤回されました。 最終的には去年の七月に二基安全だと言われたのも十月に入って撤回されたわけです。

 この一の六だけは撤回されない機でございまして、 それが四月十五日に御承知のように炉心シュラウドの全機点検をするということになって休止をしまして、 点検をして安全だということになったわけです。 ただ私どもは、 この問題が解決されたにもかかわらず、 次の日の新聞で霧はまだ晴れてないという表現も使いながら、 私どもは決して信頼、 全面的に信頼しているわけではない。

 しかし、 まじめな姿勢、 愚直に、 これもその再開について申し上げましたが、 去年のあの事件の起きた後も東電さん愚直にという話をおっしゃっておりまして、 また残念ながら七月の十日ですか、 愚直にという言葉でありまして、 この姿勢については残念ながら昨年もおっしゃったことであるということを申し上げながら、 その姿勢を評価といいますか、 霧は晴れませんけれども、 これからのまた一つ一つの積み上げしかありませんよということを申し上げながら、 再開を了としたということでございますので、 そういう状況を御理解いただきたいと思います。
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生活環境部長の答弁

 さまざまな情報、 原子力発電所についてあるわけでございますが、 従来から東電の原発に係ります重要な情報につきましては、 協定に基づきまして事業者から速やかに通報を受け、 それを県自身がまずオープンにしていくと、 このような形で対応をしてまいりました。

 ただその後、 一連の不正事件、 ああいった発生、 教訓を踏まえまして、 まず事業者自身が、 自分たちが従来持っておったさまざまな情報、 インシデント情報的なものも含め、 なるべく多くの情報を表にみずから出していくという新しいシステムをスタートさしております。

 ただ、 まだそれについて一部至らぬ点があると申します部分は、 先ほど答弁したとおりでございますが、 基本的には表に出て、 さらに県自身もこういった東電から受けておりますさまざまな情報を、 またホームページも見ていただければわかるんですが、 この四月以降の情報についてはすべて我々が受けたものはオープンに毎月していく、 非常に細かく出ております。 インシデント情報的なものも当然入っておりますし、 それ以外の定期検査に係る情報ですとか、 核燃料物質等をどう搬送しているかという情報もありますし、 さらにそれ以外の通常情報、 こういったものもすべてオープンにすると、 このような形の中でやはり原子力発電所の運営というのはオープンにされているということが事業者自身の努力、 そして県自身のあり方、 国自身もまた広報のやり方を変えてきておりますので、 透明性をしっかり確保していく中で信頼回復に至る道筋が今途上にあると、 このように考えておるわけでございます。
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