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県議会奮戦記 >>> 2007年度予算と主な施策についての申し入れ(第二次)

2007年度予算と主な施策についての申し入れ(第二次)
                                             2007年1月19日


福島県知事 佐藤 雄平 様
       
                                         日本共産党福島県議会議員団
                                         団 長 神山 悦子
                                         幹事長 長谷部 淳
    

               2007年度予算と主な施策についての申し入れ(第二次)

はじめに

 昨年末から新年にかけて、県民に大きな衝撃を与えた県政談合汚職事件と公選法違反事件の裁判が連続して行なわれ、判決も出ています。三度県民を裏切ることのないよう、新年度においても県民への信頼回復は、引き続き県政の最優先課題です。

 政府・与党は、昨年12月の臨時国会で教育基本法の改悪を強行しました。国家による教育内容への無制限の支配・統制をすすめようとするものです。これは戦後日本の教育史上、最悪の歴史的暴挙であり現憲法とは相容れません。教育は、「人間の内面的価値に関する文化的営み」(最高裁大法廷判決)であり、人間と人間との信頼に基づき自由で自主的な空間でおこなわれるべき条理に反するものです。

 さらに、安倍首相は2期6年という任期中に憲法改定を実現すると宣言しました。期限を区切っての改憲の宣言は、戦後の自民党内閣ではじめてです。首相は、改憲の目的を集団的自衛権の行使のためだと公言し、「米国とともに海外で戦争をする国づくり」という憲法改定の行き先を明瞭に示しており、決して容認できません。

 一方、「いざなぎ超え」とされる景気回復は、県民にとって何ら実感されるものでなく、6年間にわたる「構造改革路線」の結果として、全国では生活保護水準以下で生活している家庭が400万世帯と、10世帯に1世帯をこえる事態となっており、県内でも非正規雇用、社会的格差、貧困のひろがりが深刻な形であらわれています。

 知事は、新年にあたって「格差を是正し『賑わいとやすらぎのある豊かな福島県』を実現するため、『地域の特色を生かした活力ある県づくり』『安全・安心が支える住み心地の良い県づくり』『人にも自然にも心暖かな、思いやりが息づく県づくり』の三つの柱を県政の基本方針として、具体的な施策に取り組む」と述べていますが、今こそ県政には、地方自治体の本来の役割である「住民の安全と福祉の向上」を図り、広域自治体として市町村を励まし支援することが強く求められています。

 新年度当初予算編成にあたり、県民生活と地域経済の実態をふまえ、くらし応援の施策を中心に、以下の具体的施策の実施を要望します。

<真に清潔・公正な県政を>

1、県政談合汚職の徹底解明と談合体質の一掃

@ 入札制度改革を実のあるものとする大前提・不可欠な条件は知事の決断にある。知事はその決断を具体的に示すこと。
A 二度と談合汚職を起こさない証しは、県政汚職・談合事件の全容解明である。県の現職幹部が談合にかかわっていた事実が公判でも示されており、県政汚職・談合事件に県庁職員・OBがどのようにかかわったのかを知事自らが徹底的に調査し、結果を県民に示すこと。
B 談合を防止できない大きな要因のひとつは、政治家が選挙時に建設業界から「票や政治献金」を受けることである。知事は、建設業界から組織的な「票や政治献金」を受けない姿勢を明確にすること。
C 昨年12/28にまとめた「新たな入札制度改革に係る基本方針」をふまえ競争性・透明性を確保し、地元業者が受注機会を増やすためのランク付けを明確にし、直接受注できる分離分割発注を継続、労務単価を含めた下請企業への単価の切り下げをさせないしくみを構築すること。
D 談合の温床や借金漬け県財政の最大の原因、県民のくらしへの施策後退の要因となっている小名浜人工島づくり、トラハイは中止を含め抜本的に見直すこと。
E 公共事業は、教育や福祉施設、危険箇所の解消や防災対策など生活関連の社会資本整備を中心とした事業を柱にすえること。

<格差のない県土づくり・地域づくりを>

1、道路づくりについて

@ 通学路などの歩道や狭あいな部分改修など、生活道路となっている県道整備に予算を優先配分すること。
A 特に、中山間地域の生活道路は、狭あい・急カーブ・急勾配区間の解消、なだれ防止などの改良を急ぐこと。
B 県がすすめる道路建設などの公共事業において、土木部との連携で絶滅危機にある希少野生動物を保護していくこと。

2、広域行政について

@ 合併しないで自立する道を選んだ市町村に対しても、自立のための実効ある支援を行うこと。
A 道州制には反対を貫くこと。
B 首都機能移転誘致事業への予算計上はしないこと。

3、物流のあり方について

@ 福島空港は、赤字経営を続けながら利用増のためとの名目で、県民負担を増やすだけとなっている。貨物空港としての需要増も見込めないことから、縮小・廃止へ向けた検討を始めること。
A 小名浜東港の人工島づくりは中止すること。既存の港湾の活用と宮城・茨城・新潟3県と連携を強めることで対応は可能である。

4、市町村支援について

@ 介護保険制度については市町村まかせにせず、在宅でも施設でも身近な地域で必要な介護サービスを保障できるよう、財政支援を含め市町村への実効ある支援策を県独自に行うこと。
A 障がい者への「応益負担」をやめさせ、障がい者や家族に対する県独自の利用者負担の軽減策を講じること。
また、地域で自ら希望する暮らし方ができるよう、県の責任で在宅福祉サービスの充実や就労や社会参加の場となっている小規模作業所などへの支援を継続すること。
B 国保税については、滞納世帯への国保証とりあげをやめさせ、誰もが安心して医療を受けられる制度とするために、市町村国保会計への財政支援を強めること。
C コンパクトで環境と人にやさしいまちづくりを推進し、「デマンドタクシー」など県民生活の足を確保する市町村へ県の補助制度を拡充すること。
D 県が行なう建設事業への市町村負担をやめること。県が市町村から無償で借りている土地の早期解決を図ること。

<地域循環型の産業振興を>

1、企業誘致と地場産業の振興

@ 企業誘致や新規産業の創出にだけとらわれず、既存の産業の掘り起こしをすすめ、県内の地場産業、伝統産業、ものづくりなどの情報をデータベース化していくことで県内産業の活性化や雇用拡大に資するようにすること。
A 企業誘致の支援策として、初期投資にかかる経費の助成額を拡充するとしているが、安易な助成金の拡大はやるべきでない。助成金の引き上げをするのであれば、それに見合うだけの県内中小企業への受注拡大や技術移転、正規雇用の拡大につながる地域貢策について、誘致企業との契約条項に具体的にもりこむこと。そのためにも、既存の進出企業が、県内の地場産業とどう結びついたのかなどについて検証すること。
B 借りやすく使いやすい制度資金の充実を図ること。
C 雇用・労働環境をめぐっては、不安定雇用が常態化してきており、労働者の権利を守り雇用の安定を図ること。特に若年者、中高年、障がい者の雇用に力を入れること。
D 自営業の女性の地位向上を図ること。
E 働きながら子育てできる環境づくりを促進すること。
F 木質バイオマスの利用や風力・水力・太陽光など再生可能なエネルギーの導入を促進すること。

2、基幹産業としての農林水産業振興

@ 農林水産物の価格補償と所得保障を農林水産業予算の主役にすえ、第一次産業の経営を支えること。
A 農協系統と、系統以外についても実態を把握し、生産から流通・販売までを一元的に把握し、品質の良い安全・安心な本県農産品の消費拡大を図ること。
B 学校、病院、公的施設等で地元の食材を活用できるよう栄養士と連携し、地産地消の実効ある推進をはかること。地元産木材の活用促進のために財政支援すること。

<人づくりについて>

1、子育て支援

@ 子どもが安心して健やかに成長できるよう、子育て世代への経済的負担の軽減策として、子どもの医療費無料を中学卒業まで拡充すること。
A 県の助成で、妊婦検診の無料化制度を拡充するとともに、妊婦外来医療費無料化制度を創設すること。また、出産費用の軽減策をすすめること。
B 郡山相談センターを真に独立した郡山児童相談所としてスタートさせるには、一時保護施設の併設は必須条件である。そのための予算を確保するとともに、専門職員を増員すること。

2、教育行政について

@ 小中学校の30人学級を引き続き推進すること。30人学級を高校へ拡大すること。
A 常勤・非常勤講師を減らし、正教員を増やすこと。定数内講師をなくすこと。
B 普通学校における障がい児教育や、盲・ろう・養護教育を充実するために、専門教師と医療的ケアの看護職員を増員すること。老朽校舎や施設の改修をすすめること。
C 学校間の序列化を進める県立高校普通科通学区域の一円化はしないこと。
D すべての小学校区に放課後児童クラブを整備するため、県の支援を強める
 こと。

<安全・安心の県づくりを>

1、県民医療の充実を

@ 県民の命・健康を守る医療に県が責任をもつ姿勢を明確に示し、医師、とりわけ病院勤務医が県内で自発的に働き続けられる研修・労働条件などの環境整備を主体的に進めること。
A 県民が日常的にかかりやすい範囲に必要な医療提供体制を整えるため、二次医療圏を県民に身近な規模に再編成し、既存病院との協力を密にしつつ、県立病院の整備を進めること。
B 救急医療体制を県民の身近で整備すること。
C 看護師不足の実態を把握し、充足を図ること。准看護師から看護師への移行を意識的・積極的に県として進めること。
D 国による療養ベッド削減策、リハビリ医療制限策によって、必要な医療が提供できない事態が生まれていないかを患者の実情に即して調査し、実態に応じた県としての対策をとること。
E 県立病院の機能を強化し、がんセンター、循環器センター、県立子ども病院を建設すること。

2、県の原発行政の到達をふまえること

@ 原発に依存する地域経済のありかたや、プルトニウム依存の原子力政策に異議を提起し、「原子力安全・保安院の分離独立」など、県民の安全・安心を最優先にした県の原子力行政の到達を十分にふまえること。
A 東京電力福島原発でのデータ改ざんや、あいつぐトラブル隠しや事故・故障の多発は、ハード面・ソフト面両面の老朽化を示すものであり、老朽原発の運転そのものが無理といわざるをえず、「廃炉」の方向を明確にするよう国に求めること。
B 地震・津波発生を想定したハード面、ソフト面の対応策(通報体制を含む)を整えること。

3、耐震化促進と克雪計画

@ 地震・津波対策を迅速・確実に計画的にすすめること。特に、地域住民の防災拠点となる学校や公共施設の耐震化計画を市町村と協力して明確にし、耐震診断にとどまらず改築・改修を急ぐこと。
A 個人住宅の耐震化については、診断士派遣事業を行なう市町村を拡大し、耐震建築費用への助成制度も検討し県民の安全と命を守ること。
B 豪雪地帯でも高齢者が安心して生きていけるように、除雪、排雪、消雪、融雪、機材の確保など、新潟県のように県の「克雪計画」をもつこと。
                               以 上

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