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かけはし >>> 定着させてはならない後期高齢者医療制度、そして医師を育てる運動を

定着させてはならない後期高齢者医療制度、そして医師を育てる運動を
 私は昨年の浜通り医療生協総代会で、後期高齢者医療制度について発言しました(07年5月27日)。その時点でも、法律が強行採決されてほぼ1年がたっていましたが、ほとんど知られていませんでした。

 この1年、医療生協で開かれている班会、あるいは組合員さんが地域のみなさんに呼びかけて開いた勉強会、長寿会や婦人会などでの勉強会、また市内全病院を訪問して事務長さんたちと懇談などもしてきました。

 同時に、この制度を運営する福島県広域連合に対して、健康診断が希望者だれでもが受けられるようにすることや、75歳以上の当事者に開かれた運営を求める署名運動もしてきました。

 いわき市健康診査が引き続き無料で受けられることや、県老人会の代表を加えた広域連合としての懇談会を定期的に開くなどの改善をさせることはできました。

 ですが、制度が始まってまもなく2か月がたち、このしくみのままでは、小手先の手直しではとても安心して受けられる医療にはならないことが、日を経るにしたがって明らかになってきています。

 たとえば健診でいうと、75歳以上のドックへの補助がなくなったので、4万4000円超の全額支払わなければ受けられなくなってしまいましたし、ガン検診はすべて有料になりました。

 なぜこんなことになったかといえば、舛添大臣の説明では、75歳以上の人は、生活習慣の改善はむずかしいし、残存能力を生かせばいいので、健診はやらなくていいんだそうです。

 むちゃくちゃだと思いますが、政府はまじめに75歳以上の特性というのをまとめています。その特性に合わせた医療でいい、というわけですが、どういうことかというと、治療に手間ひまがかかるし、認知症が多いし、この制度のもとでいずれ死ぬのが75歳以上の特性だ、と政府はいうわけです。

 こんな考えに基づいて、今年58歳の人が75歳になる2025年までに医療費を8兆円削るうち,5兆円を高齢者医療で削ることが後期高齢者医療制度の目的です。

 生きることの尊厳を平気で傷つけるわけですから、「個人の尊重」を定める憲法13条に違反するし、年齢で差別するのですから、差別を禁止する憲法14条に違反するし、医療を後退させるんですから、医療を充実させることを定める憲法25条違反は明らかです。

 いま参議院で後期高齢者医療制度を廃止して、もとの老人保健制度にもどす法案が審議入りしています。この法案を衆議院でも成立させる大きな合意をつくることが必要です。

 場合によっては、今国会で与党の数の力で廃止できなかったとしても、定着させてはならない制度ですから、廃止させるまで、息の長いとりくみが必要になるかもしれません。

 これからも、婦人会や年金者のみなさんなどの勉強会の予約があります。引き続き、この制度のねらいを知り、廃止させるまで力をあわせたいと思います。
 
 もうひとつ私が言いたいのは、いわき市の医療についてです。

 とくに医師不足は深刻で、その現況と、いま何が必要か、という点で、私の考えを述べたいと思います。

 日本の医師数が、世界的に見れば大変に少なく、経済協力開発機構の国々の平均から見ると、人口に対して絶対数が14万人も少なくなっています。

 いわき市では、その日本の平均からも、人口比で約140人、絶対数が足りません。そして、1998年から2006年までの医師数の変化を見ると、いわき市内の病院に勤務する医師は68人減り、開業する医師が40人増えています。

 その結果、いわき市では医師全体のなかで、病院勤務医55%に対し開業医45%と、半々に近づくような比率です。県全体では病院勤務医62%に対して開業医38%、郡山市がある県中地域もほぼその比率です。県立医大がある県北地域は68%と32%です。全国平均は64%と36%です。

 つまりいわき市では、医師の絶対数が少ないのに、病院を離れる医師が増えているのが実態です。

 これが、2次救急や夜間救急を受け持つ病院で患者さんを受け入れられない事態の最大の要因であることは間違いないと思います。
 当面、市内の病院の中核である市立共立病院の医師を増やし、守り、育てる市民の世論と合意と運動、医師不足の最大の原因である国の医療費抑制策を転換させることが必要だと思っています。

 市内の病院に、医師がいるのに救急を拒否するとかたらい回しする病院はひとつたりともないと思います。運ばれてきた患者さんを責任をもって診ることができる医師がいないことが問題なのです。

 医師不足の現状を市民自身が知り、病院の医師を市民が育てることがこれから不可欠になると思います。

 浜通り医療生協としても、いわき市の医療の実態、医師不足の実態などを知る機会をもち、医師を増やせの運動の一翼を担うことを呼びかけ、発言を終わります。
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