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かけはし >>> 知事辞職・県議裏金疑惑の9月議会

知事辞職・県議裏金疑惑の9月議会
 9月議会開会日前日の9月25日、「福島疑惑」の捜査を続けていた東京地検特捜部が知事の実弟を逮捕しました。

 私たち県議団はこれに先立つ8月3日、党県委員会と「みんなで新しい県政をつくる会」とともに知事に「公開質問状」を出し、県民への説明責任を果たすことを求めました。

 8月10日の「回答」では、知事の政治団体から水谷建設が5万円のパーティー券を購入していた事実を明らかにしましたが、県発注ダム談合などに関しては「答えようがない」と、みずから調査しようとしない姿勢を明らかにしていました。

 知事実弟逮捕の翌日(9月26日)、議会開会前に私たちは党県委員会とともに知事に対し、議会冒頭での知事説明の際には「政治責任を明確にすること」を申し入れました。

 自民党など与党会派は、議会での知事説明によっては、申し入れした共産党が辞職勧告決議案などを出した場合にどう対応するか、などでまとまらず、開会は3時間半も遅れました。

 みずからの責任にいっさいふれない知事説明に対し、本会議後、私たちは交渉会派である自民党と県民連合をたずね、それぞれの代表質問に対して同じ姿勢を続けるなら、議会として知事の辞任を求める一致した行動をとる、との方向を確認しました。

 議案調査で休会日の翌日、前日から各会派の様子を知事に伝えていた副知事に対し、「議会に知事の味方はいない、辞職の進言を」と午後2時過ぎに伝えました。

 知事が辞職会見をしたのは午後4時でした。

 その後、10月7日には、談合による裏金が県議ら数十人に渡されていたことが関係者の話でわかった、と報じられました。

 連休明けの10日、私たちは議長に対し、「県議会自らが全容の解明にあたること」を申し入れました。議長は、「報道のみで、各会派に議長として働きかける条件はない」として、議会の自浄力を発揮する姿勢は示しませんでした。

 同日、無所属など3人の議員は「議会解散の申し入れ」をしました。私たちは、事実の解明もないまま解散するのは無責任という立場です。

 議会最終日前日の11日は、4日に全会一致で設置した「公共事業の適正な執行の在り方に関する調査特別委員会」の第1回の会合が開かれる日です。私も委員に選任されています。

 自民党県連副会長でもある特別委員長と同じ宿所の私は、朝、彼と話をした際、「事実の解明がないままでの解散は無責任」ということと、「特別委員会は県民注視の委員会であり、裏金疑惑議員がいないことの確認を委員長に冒頭で求める」旨の話をしました。
 
 昼ごろに議長が、「きのうの(共産党の)申し入れもあったが、議長として各会派の議員が裏金を受け取っていないか確認させていただくことにした」と党県議団控室に伝えに来ました。

 これは、自民党所属議員が裏金を受け取っていない証明を県民連合が求めたことを受けた形をとりましたが、けっきょくは私たちの申し入れのとおりに議長が動かざるを得なかったわけです。

 その結果出てきた「議長コメント」が、「各会派からは『そのような事実は一切なかった』という報告を受けております」というものでした。

 渡した人物はいるのに、渡された人物はいない、と「潔白宣言」を議長がしてしまったわけです。

 これはつまり、東京地検特捜部の捜査を受けた「関係者」による裏金情報は真っ赤なウソだ、との宣言に等しいものです。

 こうして特別委員会開催の形を整えた特別委員長が委員会開会直前に私をたずね、「これで会議冒頭の発言はなくなったと思うが」と言いに来ました。

 特別委員会が開催され、議事の冒頭に私は、「県民は、裏金疑惑議員が談合調査などできるのか、と見ている。議長コメントが事実なら、議長、委員長含め、議会として、情報を流した者とそれにのったマスコミを名誉毀損で訴えなければならないではないか」、「議会自身の自浄力を問う場が必要ではないか」と発言しましたが、「付議事件とはかかわらないので、別の場でやっていただきたい」と、無責任きわまりない立場で、私の発言を一蹴しました。

 翌12日は議会最終日。

 9月28日に知事辞職を全会一致で賛成した県議会は、辞職前の知事に対し「知らぬ存ぜぬは通じない」と迫ったわけですが、裏金を受け取ったであろう県議は、ついに「知らぬ存ぜぬ」を通しました。

 議案の討論に立ったのは私1人でしたが、そのなかで、裏金を「渡した人間がいて、渡された人間がいないとは奇々怪々」だと指摘し、「談合による裏金を手にした議員は、みずから事実を公表し、出処進退を明らかにすべきことは当然のこと」と強調しました。
 
 この討論には、与党会派議員からも「あの指摘はよかった」とか、マスコミのみなさんからも「あの討論で議会が最後に締まってよかった」などの感想が寄せられました。

 9月議会は裏金議員をめぐる事実は明らかにならないまま終わってしまいました。

 しかし、責任逃れをして知事の座にしがみつこうとした知事を辞職に追い込んだことも、裏金疑惑の県議が事実を明らかにすべきことを追及し、裏金県議を窮地に追い込むことになる議長による驚くべき「潔白宣言」を出させたことも、私たちが具体的な動きをしたからこそです。
 
 定数58人の県議会で、日本共産党の私たち2人を除く「オール与党」が、談合の温床ともなるムダ使いの大型公共事業の温存を容認し続けています。このことが、県財政を借金漬けにしてきたことは明らかです。

 ムダ使いはきっぱりやめ、県民の暮らし応援や市町村支援を柱にした財政運営をする県政のため、県民のみなさんの声を聞き、引き続き力をつくしたいと思います。






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