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 東北ブロックシンポでのフロア発言
 医師不足と関わりますが、福島県立病院の産科医が逮捕・起訴された事件と、医師不足解消の提言について発言します。

 県立病院医師の逮捕は、全国的に、とくに医療界に大きな衝撃を与えました。 

 この医療事故は2004年の12月に帝王切開した女性が死亡した事故です。亡くなられた女性とご遺族に心からお悔やみ申し上げたいと思います。

 事故の翌日には保健所に報告され、翌月の05年1月には事故調査委員会が開催され、3月30日には調査結果がまとめられました。この調査に基づいて、6月には関係者の懲戒処分も行なわれました。

 ところがこの事故から1年以上もたった今年2月に執刀医が逮捕され、3月には起訴されました。4月には、医師を逮捕した警察署を県警本部が表彰することまでしました。

 きのう県警に聞いたところ、逮捕後、県警には80件を超える抗議が寄せられたそうですが、県警は「法と証拠に基づいて対処しているだけ」とのことです。

 私は、この逮捕劇は、医療事故の原因究明と再発防止になじまないばかりか、医療にたずさわる人たちを無用に萎縮させるもので、警察の突出した介入だと思っています。

 医療事故調査委員会の報告書でも、「マンパワー不足が痛感される」と書かれているように、深刻な産科医不足と県立病院全体の安全体制の問題がこの事故の背景にあることは明らかだと思います。

 医療事故の際にもっとも重要なのは、事故原因の究明と再発防止、被害者補償であり、犯人探しではないと思います。

 医師法21条の異常死の届出義務の解釈が定まっていない問題も含めて、医療事故は第三者機関によって原因究明と再発防止をはかるしくみづくりが急いで求められているのではないかと思います。

 さて私たち福島県議団と県委員会は、「福島県における医師不足解消のための提言」を3月に発表しました。

 医師の逮捕の時期と重なりましたが、これを意識して準備したものではありません。

 医師不足は福島だけの問題ではありませんが、全国平均との比較で見ると、福島県は医師の実数で600人以上も少ないのが実態です。

 県としても、医師確保を県政の重要課題と位置づけ、県立医大に総合診療部が設けられたり、へき地医療支援システムを創設したり、医師派遣体制をとったりしています。

 提言では、なによりも、医師の自発的な県内定着を図ることがもっとも重要として、医師のライフステージを配慮しながら、研修や労働の環境整備を強調しています。

 具体的には、県立医大の定員の拡大、女性医師を含め、医師の労働条件の改善、県内の医師研修機能の強化、県内医師紹介システムの強化、二次医療圏を県民に身近な規模に再編するなどの医療提供体制の強化、地域の保健活動の向上・他職種との連携などです。
 
 今後、医療関係者を始め、県民のみなさんからのご意見もいただきながら、提言自身の充実も図りたいし、県民医療の充実のためにこれからも力をつくしたいと思います。
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