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かけはし >>> 2005年 >>> 2005年5月3日記 憲法・・・憲法が指し示す社会

憲法が指し示す社会
 きょう5月3日は憲法記念日、憲法が施行されて58年目の日です。そして今年は日本の敗戦から60年目の年です。この60年間、日本は一度も戦争を起こしていません。戦争では一人も外国人を殺していません。これほどの国際貢献がほかにあるでしょうか。

 ところが自民党・民主党は競って改憲案づくりをすすめ、公明党も公然と改憲の流れに合流しています。

 改憲の最大のねらいは、憲法九条をなくすことです。

 具体的には、戦争放棄の九条1項は残し、2項をなくして「自衛軍」を明記しようというものです。

 しかし、九条2項の「戦力保持の禁止」の明文規定が「歯止め」となって、日本は海外での武力行使はできないのです。九条2項を改変することは、この「歯止め」を取り払い、「海外で戦争する国」に日本を変質させることにほかなりません。

 しかもその場合の「戦争」は、アメリカの先制攻撃によるイラク戦争のような戦争です。イラク戦争は、国連安保理の決定に基づくものでも、フランスやドイツも入っているNATOという集団的自衛権組織の決定にもとづくものでもありませんでした。

 イギリスのブレア首相が「イラクは45分以内にイギリスを大量破壊兵器で攻撃する可能性がある」と言ったことが、アメリカ・イギリスの二国間軍事同盟に基づいて、イラクに対する集団的自衛権を行使する口実になりました。アメリカはその集団的自衛権を大西洋を越えて行使したのです。九条2項をなくすことは、まさに血を流してまでアメリカに忠誠を誓うことにほかなりません。

 そもそも、改憲しようという人たちは、これまで自衛隊は合憲だ、といってきたのです。合憲の存在を認めるために改憲するというのは、要するに国民をだまし続けてきたということではないでしょうか。改憲を許すということは、そのごまかしにのってしまうことではないでしょうか。
 
 いま日本の憲法九条は世界から注目されています。

 一九九九年、オランダに世界百か国から約八〇〇〇人がつどった「ハーグ平和アピール」という会議では、「各国議会は、日本国憲法第九条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」と確認されました。

 二〇〇〇年に国連で行なわれた「ミレニアム・フォーラム」でも、「日本の憲法九条に規定されている戦争放棄原則をすべての国々が自国の憲法のなかに採用するという提案」が取り上げられました。

 憲法九条は、非現実的どころか、世界の市民に注目され、現実的な力を持つようになってきました。

 今年二月の県議会で、知事は、私の質問に答え、現行憲法は「国民の精神的支柱になっている」「今なお揺るぎない存在意義を有している」「世界に冠たる憲法」と答弁しました。

 日本の憲法を変える必要はまったくありません。変える必要がないからこそ、国民投票法も必要ないのです。自民・公明・民主が国民投票法を作ろうというのも、九条をなくす準備にほかなりません。

 平和を守ることにおいても、暮らしを守ることにおいても、保守・革新を問わず、憲法がその道を指し示しています。

 今こそ現在の憲法を自分のものとして選びなおし、日々行使し、改憲のくわだてを阻止しようではありませんか。
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