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かけはし >>> 2004年 >>> 2004年11月2日記 教育・・・義務教育費の国庫負担削減の根本問題

義務教育費の国庫負担削減の根本問題
 義務教育費の国庫負担金をめぐって、これを廃止し、教育の権限も財源も移譲すれば、地方分権が進むかのように佐藤知事は主張しています。

 そうでしょうか。

 憲法26条は、国民が「ひとしく教育を受ける権利」をもち、「義務教育は、これを無償とする」といっています。教育基本法3条は教育の機会均等の原則を定めています。

 これらを受け、義務教育費国庫負担法は「国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的とする」と明記しています。

 つまり、都道府県や市町村の財政力の格差にかかわらず、全国どこでも国民ひとしく義務教育が保障されるための根幹が、この義務教育費国庫負担制度です。

 しかも、小泉内閣が進めている地方財政の「三位一体の改革」は、実は「三位一体」ではなく、地方への税源移譲も不十分なうえに、財源保障機能をもつ地方交付税も減らす姿が明らかになってきました。そのもとで義務教育費国庫負担金を廃止すれば、自治体は教員の定数を減らすか、給与を減らすか、どちらかを選ばなければなりません。30人学級の全学年への拡充はますます進まなくなります。

 教育基本法6条は、教員を「全体の奉仕者」とし、その職責を遂行するための身分の尊重と待遇適正の原則を定めています。

 ですから、義務教育費国庫負担制度は、憲法上の国の責任にかかわり、教育やこれを支える教員の待遇にかかわる根本問題です。廃止どころか、拡充こそが必要です。
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